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発表・朗読に自信(30~39歳)(P.2) 前向きな取り組み、他

 
(発表、朗読に自信 レッスン体験①)

 これからは色んな事に挑戦していきたいと思います。

Kさん(滋賀県在住 32歳 主婦)

私は小学生の頃から吃音がありました。普段はそんなにはどもらないのですが、朗読や、発表などで決まった言葉を言わなければならない状況になると声が出なかったり、つっかえたりしていました。

中学校の卒業式では自分で名前を言ってから卒業証書をもらうのですが、予行演習で自分の名前が言えず、どもりながら言いました。その場ではあからさまにはからかわれることはなかったのですが、少し皆がざわつく感じがあって、それが自分の中ですごく嫌で、卒業式に出るのが怖くなりました。風邪をひけば休めるかと思い、前日に薄着をして、お風呂場で水をかぶったりしました。そしたら本当に当日高熱がでて、卒業式を休んでしまいました。今思えば、ここからずっと吃音から逃げ始めてきたように思います。

高校在学中には母に頼んで、言葉の教室のような所に行かせてもらったのですが、そこではつっかっかても大丈夫という安心感からスラスラ言葉が出るので、そこの先生からここに来ても意味がないということを言われてしまいました。
また、対人恐怖症とか赤面症のカウンセリングをしている所にも行ったのですが、あまり効果がありませんでした。

高校を卒業して専門学校に通いました。学校では人前の発表とかはめったになく、しばらく吃音に苦しめられる事はなかったのですが、卒業して働くようになると、電話応対をしなければなりませんでした。怖くて怖くて、声が出なかったりして、もう頭がパニック状態になってしまい、相手の声が頭に入ってこなかったりで、毎日が辛かったです。
専門学校に行き、資格を取って、せっかくそれを活かした仕事につけたものの、また逃げ癖がでて辞めてしまいました。

それから結婚して、そんなに電話応対がない会社でパートとかをしたのですが、吃音が出ても半年ぐらいは頑張れたのですが、それ以上はいくらがんばってもやはり電話がしんどくて、長続きしませんでした。

もう働かなくてもいいと思い2年ほど家にいたのですが、昨年3月の震災が、自分自身のこと、自分のこれからの人生を考え直すきっかけになりました。いつ何があるか分からないのに、自分はいつまで吃音と向き合わず逃げ続けるのか、と自問自答し始めました。

やっぱり逃げたくない、色んな事にチャレンジして自分を変えたいと思うようになりました。そんな時、家のポストにアナウンス・スクールの1ヶ月無料体験のチラシが入っていました。

今まで、人前で話す事をことごとく避けていたので、今のままではだめだと思い申し込みました。教室では発声練習と早口言葉とかを順番に回していき、それぞれ課題の原稿をもらい、前に出てマイクの前で、読んで、録音して聞く、という流れです。

初めはひどく緊張して声も震え言葉もつっかえたりして、しんどかったのですが、絶対に逃げないと心に決めていたので通い続けました。2カ月ぐらいすると、緊張感が少しずつ軽くなり、言葉は詰まるけれど声が震えたりしなくなってきました。

それまでは主人に吃音の苦しみは話していませんでしたが、アナウンス・スクールに行くようになって、主人にも自分の気持ちを打ち明けて、発声練習やフリートークを聞いてもらったりと少しずつ吃音と前向きに向き合えるようになりました。

さらに、「電話にも挑戦してみたい!」と思うようになり、とりあえず短期の事務のパートの職に就きました。でもはやり実際の現場での電話は怖く、なかなか出られなかったり、出ても、しどろもどろでした。

昼休みに落ち込みながらネットで“吃音”で検索していたら、この「さわやかカウンセリング」に出会いました。みなさんの体験談や、江田先生自らの体験を読んで、気持ちが楽になり、一度江田先生と話してみたいと思い、トライアルレッスンを申し込みました。

レッスンを受けてからの仕事での電話応対はまだ上手いとは言えませんが、電話応対を含め業務を一生懸命するように心がけています。
職場の皆さんは私が電話が苦手だと分かってるので、私が受話器をとる前に素早く出てくれるます。ですから電話に出る機会は今のところ多くはありません。昔なら電話に出ることをためらう自分に嫌悪感を覚えていましたが、今は素直に受け止めることができるようになりました。

アナウンススクールも行き始めて5ヶ月目になります。、先日、1分くらいの原稿を初めて一度もつっかからずに読めました。自分の苦手な言葉も入っていたのですが、す~っと言葉が出てきました。レッスンを受けている手応えを感じた嬉しい体験です。

どんな場面でも自分の思う言葉で話せるよう、今まで逃げてきた分、これからは色んな事に挑戦して、吃音を言い訳にしてきた人生と訣別して生きていきたいと思います。



(発表、朗読に自信 レッスン体験②)

 焦らずゆっくり確実に改善していきたいと前向きに思っています。

Iさん(群馬県在住 34歳 公務員 男性)

  

私が吃音に気づいたのは小学6年生の頃だったと思います。最初の一言が言えず、頭で思っていても言葉が出ないことに焦りを通り越して、自分への憤りを感じていました。学生の頃は吃音を隠そうとして、絶えず言いやすい言葉を探して話していたので苦労しました。また、物事に向き合おうとせず、現実から逃げている自分がいました。

教材を購入し改善を試みた時もありましたが、一向に改善せず、「こんな毎日いつまで続くのだろうか?」と悩んだことは数知れません。
その一方、悩みながらも「自分は大丈夫。このままで大丈夫。言いやすい言葉を探してその場を対処していけば良いのだから・・・」と自分に言い聞かせていました。

さわやかカウンセリングをインターネットで知って受講するかどうか迷っている頃、仕事の人事異動が決まりました。そしてほぼ同じ頃、3.11東日本大震災が発生し、幾度となく続く余震を経験しながら不安な日々を過ごしていました。

職場の人事異動と震災という一連の環境の変化で、自分の人生観、吃音の捉え方を考え直さざるを得なくなりました。あす何が起こるかわからない中、弱味を見せないように隠そうとするのではなく、「吃音である事実は事実。自分の現実にしっかり向かい合っていこう」と思いました。その方が強く且つしなやかに生きられると思いました。

カウンセリングを受講し始めたのは、その1ヶ月後の昨年4月からです。

吃音が呼吸に強く影響されるものだと聞いたことはありますが、カウンセリングを受講して息継ぎのあり方の重要性に改めて気付きました。
私の場合、胸の浅い息継ぎを絶えずしていることと、喉を締めつけて話すようになっていることが長年の習慣になっています。これらを少しずつ改善していくことが課題です。

先生に「どうですか?普段、楽に言えていますか?」と聞かれるのですが、まだ自信を持って「はい」とは言えません。それは、「その時にたまたま言えたのかもしれない」と思うこと、そして「また元に戻るのでは?」という不安がまだ大きいからです。

カウンセリングは仕事の関係上、月に1,2回程度でしています。長年の悪い癖が身についてしまっている現実を受け入れ、肩の力を抜いて、焦らずゆっくり確実に改善していきたいと前向きに思っています。

もし私と同じように吃音で悩んでいる方がおられるのならば、今、一歩前に進み自分自身に向き合ってみてはどうでしょうか?話し方のコーチをしてくれる先生がいるのはとても心強いです。人それぞれ受講のペースは違うと思いますが、受講中は自分自身の困難に前向きに取り組んでいるのだと自覚するはずです。



(発表、朗読に自信 レッスン体験③)

 話す心地良さを体感しています。

Oさん(埼玉県在住 37歳 主婦)

私は37歳の主婦です。受講して4ヶ月が経ちます。
私は結婚し家庭に入って約7年になります。日常生活では緊張して吃音が出る場面は少なく、ここ数年は私自身の長年の悩みの吃音からはかなり遠のいていました。小中高校、専門学校時代そして独身時代の、就職の緊張に出くわして常に吃音との戦いに強いられていた時代に比べれば、現在は吃音に関してはなんと快適なんだろうと、その頃の私なら羨ましく思う環境だと思います。

そんな日々の中、今年春から入園した4歳の上の娘が、夏休みに入ってから、「さ行」、特に「さ」を連発して言うようになったのです。
私の吃音が遺伝して出たのか、それとも私の時々出る吃音を聴いて影響してるのか、急に吃音を意識し、私の中ではまた吃音のことが大部分を占めるようになりました。

子供の頃から、どもっては母に愚痴って感情をぶつけてしまう度に、心配をかけていました。

就職してからは、吃音のことを愚痴る自分が惨めに感じて、もう10年以上もその事は話さなくなりましたが、この夏帰省した時に、久しぶりに娘のことも含め吃音に関して母に話をしました。

帰省している間、日頃から子育てのストレスで自分の時間がないことなど、母に愚痴をこぼしました。そしてたまたま下の娘を感情的に叱っていたところを母に逆に叱咤(しった)され、上の娘の吃音も私が感情的に叱ったり、自分のことしか見ていないから子供に心配な症状が出たのだ、と言われました。何だか全否定された気持ちになり、吃音の私だから全て悪いのだと捉えてしまい、喧嘩別れするように自宅に戻りました。

また吃音の事で悩み始め、自宅でしばらく何もやる気が起きなくなっていた中、何となく、認めたくなかった「吃音」を、勇気を出してネットで初めて検索しましたら、江田先生の「さわやかカウンセリング」のホームページを見つけました。

受講生の皆さんのカウンセリングの体験談を読み、初めて、私一人じゃないんだ、同じ気持ちで悩みを持っている方達がこんなにいるのかと衝撃を受け、皆さんの体験談を一気に読んでいました。

娘のためでもあり、自分の吃音と向き合って、改善出来るものならしたいと思い、まずトライアルレッスンをしてみたいと、主人に思い切って打ち明けたところ(主人には吃音のことは以前一度打ち明けていました)、いいよと応援してもらい、トライアルレッスンを受けることにしました。

江田先生ご自身も吃音体験者で、私の知らなかった子供の頃から感じていた発語不安や、吃音時の胸式呼吸になっていることなど、吃音について色々知ることが出来、続けてカウンセリングを続けることにしました。

私の吃音は3.4歳の頃には出ていて、友達の名前の始めの音を連発していました。一部の友達に変だ、病気だなど言われ、小中高校、専門学校と、国語などの本読みや、発表、クラブの自己紹介などいつも発語不安を抱えて、相当ストレスを感じていました。中学3年の時は、集会で全校生徒1000人以上いる所で、作文を読む羽目になったこともあり(当日の朝、私の机に原稿用紙が置いてあって、「まさか、私がっ!?」と緊張で血の気が引く思いでした)案の定、何度もどもって、恥ずかしい思いをしました。

就職の時も、吃音であるが故、出来るだけ人前で話さなくても済む職種に限られてきます。私は両親の勧めで事務職やあまり電話の応対のない医療従事者はどうかと勧められ、医療系の専門学校に進学しました。そして吃音の不安を抱えたまま、個人医院に就職しました。

そこでの約8年間の業務では、自分の言いにくい患者さんの名前が今日はあるかどうか、あったらどのタイミングで言ったら良いのかなどばかり考えてしまい、診療業務に集中できず、神経をすり減らしていた毎日でした。しんとした待合室で、言いにくい苗字を言わなければならない時は、つい吃音者独特の付随動作(私は相手と目線を合わせられず、右足のつま先で床をトントン突いて言えるタイミングをはかっていました)が出てしまって、患者さんにも周囲のスタッフにも大分変に思われているんだろうと、本当に自己嫌悪で吃音の自分を自己否定ばかりしていました。

吃音がなかったら、もっと明るい毎日なんだろうな、もっと純粋に仕事に集中出来て、やりがいを感じて自分に自信を持てたのに・・・もう緊張する毎日でとにかく、吃音が出る自分を全否定していました。

現在は、新しい土地に来て専業主婦ですので、緊張する場面が少ないです。多少の言いにくい言葉を言い換えたり、何とかごまかせていたので、吃音の事も、仕事をしていた時に比べればはるかに精神的には落ち着いています。ただ、私や主人の実家が遠いので、育児の手助けがなかなか難しい中、自我が芽生えてイヤイヤ時期の育児に対してストレスを抱える日々です。

人付き合いも、娘が入園する前は私は本当にマイペースで、新しい出会いがあると、つい吃音を知られたくないと無意識に避けてお誘いを少し断わったり、子育てサークルやイベントなど、子供のために参加した方が良いのに、つい人前の事を思うと億劫になり、ほとんど参加せずに来ました。
しかし、今は幼稚園の行事や会合を避けては通れません。お母さん方との出会いがあり、話す機会が増えて来てゆううつになり、何年かぶりに吃音へのこだわりが強くなりました。

カウンセリングで江田先生は、私は早口気味なので、腹式呼吸を意識し、ゆっくりとした安定感のある話し方を心がけましょうとおっしゃいました。私自身早口だとは気が付きませんでした。実母や園のお母さん達はノリで話すので、私もつられて早口になってしまいます。言いにくい言葉を察知するととっさに言い換えると、言葉が空回りしてしまうとも、先生はおっしゃいました。

毎回のレッスンでは初め、数分の腹式呼吸の後、文章の音読をゆっくりしますが、私はこれが発語の安定感の良い練習になっています。
音読中、普段ひっかかりやすい「いただきます」の「い」や「た行」の言葉に発語不安を感じても、江田先生のおっしゃる、前の音に「つなげる」「伸ばす」感覚を上手く使っていく感じを少しずつ掴めています。吃音時の咽喉の詰まる、閉まる感じ、浅い胸呼吸がウソのように消えている心地良さを体感しています。

レッスンでの電話応対の演習では、練習とは言え電話のベルにドキドキします。「これも場数です、慣れですよ」と先生がおっしゃいますが、何回と重ねていく度、少しずつですが、慣れ、と同時に呪文のように「息継ぎ」「つなげる」「伸ばす」と心に唱えて、すーっと言えている自分がいます。

日常生活も特に、娘達と話をする時は、レッスンで掴んだゆっくりとした安定感を持って話すよう心がけています。カウンセリングを始めてから少しずつですが、上の娘の「さ」のひっかかりも今はあまり出ていません。娘にも良い影響が出ています。

家族(主人)と話す時は、気を抜くと雑になってしまうので、安定感を心がけるようにしています。
家族以外の人と話す時は、無意識に発語不安を抱えやすいのですが、カウンセリングを受けてから少しずつ、レッスンで掴んだ発語の安定感で、幼稚園の先生とお話が出来つつあります。あとは、お母さん方の早口の波に呑(の)まれないようにする実践を重ねていきたいです。

今は下の娘がもうじき3歳で、入園したら私も思い切って社会復帰してみようと思ってます。自分自身で職種の制限をしないで、話す機会の中で安定した発語感覚の体験をいっぱいして、自分に自信をつけていけたら良いなぁ、と思っています。



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