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どもり 治療の試み 体験談(18歳~25歳)(P.11)どもりの治療を試みて、話す場面に積極的 他


 このページでは、吃音(どもり)を治療しようと数々の試みをされた方々の体験が記されています。一般にどもりの治療の方法としては下記のような手段が挙げられます。

言語聴覚士によるどもりの診断・治療
脳疾患、その他、体の外傷に起因する吃音(獲得性吃音)の治療に適しています。発語神経を修復する話すためのリハビリ的な治療です。(「さわやかカウンセリング」では獲得性吃音の方のレッスンはしておりません。)

心療内科・精神科・神経内科でのどもり治療
過度なストレスによりどもりがひどくなっている場合、緊張をほぐすための精神安定剤などの服用の処置を行います。どもりの治療というより、緊張・不安の緩和対策です。

民間の吃音矯正所でのどもり治療
吃音矯正所で行われている対症療法では、腹式呼吸をはじめ、発声練習をしています。

「さわやかカウンセリング」では脳疾患や体の外傷によって生じた吃音(獲得性吃音)は別として、“吃音(どもり)は治療するものではなく、あくまで良い発語感覚を育てて改善していくもの“という捉え方をしています。

「母はどもりの治療のためにいろいろなことをしてくれましたが・・・。」
Bさん(大阪府在住 19歳 大学生 女性)
「ここにも頑張っている奴がいるんだということを伝えたいです。
Bさん(大阪府在住 19歳 大学生 女性)
「吃音と上手くつき合う。」
Fさん(神奈川県在住 21歳 大学生 男性)



 母はどもりの治療のためにいろいろなことをしてくれましたが・・・。

Bさん(大阪府在住 19歳 大学生 女性)

私が話し方に違和感を感じたのは小学校高学年になった頃でした。最初の頃は吃音という言葉も知らないし、話しづらい日があったりなかったりしたのであまり気にしていませんでした。
しかし中学校に入り、小学校の時よりも皆の前で朗読をしたり発表したりする機会が増え、いつの間にか毎日のように声が出なくなったり、あ、あ、あ、と最初の言葉を何度も言ったりするようになりました。その度に周りから笑われ友達にもからかわれました。

それからどもるという実感がわき、恥ずかしいと思うようになりました。人と接することが多い学校がとても苦痛でした。家族にも相談できず、どうして自分だけがこんな変なしゃべり方なんだろうと毎日のように自分を責めていましたが、そうしていることにも限界がきて家族に相談することにしました。母は受け止めてくれ、催眠療法や心療内科など改善のために色んなことをしてくれました。しかしそれをしてもまったく話し方は変わらずもう治らないんだとあきらめていました。

しばらくして母が、さわやかカウンセリングというホームページを見つけてくれました。ホームページを見てみると私と同じような思いをした人が何人もいて、それだけでも心強くなりました。そして私もレッスンをしたいと思いこのレッスンを始めました。

最初のレッスンはとても緊張しましたが江田先生の声はとても柔らかくゆっくり話してくれてすごく安心できました。私は今まで吃音は治すものだと思っていましたが、伸ばす感じを意識した話し方などで話しやすくなるということを学びました。

レッスンを受けていくたびに、どこをどういうふうにすれば話しやすいかということを考えられるようになり、改善しようという意志をもつことができました。今でもまだ言葉につまったり話しにくかったりすることがありますが、話すことに対して自信がつくようになりました。もし今、吃音に悩んでる人がいたら、ぜひこのレッスンを受けてみて、話すことを怖がらず前向きに頑張ってほしいと思います。

いろいろな話す場面で実戦していくことを怖がらず、自分から飛び込んでいくようにしたいと思います。

※ ひ と こ と :
「いろいろな話す場面で実践するということを怖がらず、自分から飛び込んでいくようにしたいと思います」との心がけ、応援しています。




 ここにも頑張っている奴がいるんだということを伝えたいです。

Iさん(奈良県在住 20歳 大学生 男性)

このページを見ているということは、少なからず吃音で悩まれている方だと思います。僕も長年悩んでいる一人です。

僕は小学校3年のころに紙芝居を読むときにどもったのが初めての記憶です。それからは、国語の本読みの時間にはあたらないようにと祈る思いで時間をすごしていました。
小学6年のときに、夏休み体験学習発表会で選ばれてみんなの前で作文を読むことになったのですが、練習で泣きながら読んだのを覚えています。

大学生になるまで自分なりに工夫をしながらどもらないようにとがんばってきました。でも、大学生になると更にシビアな状況で話す機会が増え、自分ひとりでは乗り越えられる気がしませんでした。僕はちょっとのことでは泣きませんが、吃音で苦しんだことを思い出すと涙が出てしまいます。

なんとか改善しようとネットを見てみました。すると、同じように悩んでいる人がたくさんいることを知りました。何十万円もする吃音治療所に通おうかとも考えました。でも、経済的に無理だし、なんと言っても本当によくなるのかが心配でした。そんなとき、このホームページを見ました。そこに書いてあったのは自分が今までしてきた工夫をさらに突きつめたようなものでした。自分も挑戦してみようと思いました。

レッスン初回の電話は緊張しました。自分の名前を言いたくても言い出せなかったことを覚えています。そのとき「○○さんですね」というやさしい声が聞こえてきました。その声は心を落ち着かせてくれる声でした。

レッスンを重ねるたびに、だんだんと自分なりのペースがつかめてきて、今は一番苦手だった理容院の予約を電話でできるようになりました。そのほか、バイトをしているのですが、電話で報告をするのですが、そこでも自分の名前を言えるようになりました。まだまだ日常生活でどもることはありますが、自分なりにゆっくりと滑らかに話せるようになっていきたいです。

「どもらないように話さなければと思わなくていいんです。調節して安定して話せるようになればいいんです。」という江田さんの言葉は本当に僕の心の支えになっています。僕は今、理学療法士になろうと勉強しています。この6月からは実習があり、人と話す場面がたくさんあると思いますが、自分なりに安定して話すように心がけたいです。

もし同じ夢に向かってがんばっている吃音をお持ちの方がいたら、ここにも頑張っている奴がいるんだということを伝えたいです。

※ ひ と こ と :
日々の心がけが夢の実現に確実につながっていることを信じていきましょう。




 吃音と上手くつき合う。

Fさん(神奈川県在住 21歳 大学生 男性)

吃音の症状が出始めたのは、小学生の低学年のころからでした。そのころはまだそれほど気にしていなかったのですが、中学、高校と進むにつれ、どもりがひどくなっていき、人とのコミュニーケーションが上手くとれなくて、毎日悩まされる日々でした。特に初対面の人と話すときや電話などは、緊張が倍増して、ことばの出だしがなかなかいえず、「え?」と相手に不思議がられるのが苦痛でたまりませんでした。

大学生になり、たまたまネットで吃音について検索してみたら、このサイトをみつけました。サイトをみて、とても驚きました。レッスンの体験談を読んでいくと、自分以外にもこんなにどもりの人がいるんだ、自分だけじゃなかったんだと僕はものすごい感動を覚えました。

これだと思い、さっそく申し込みレッスンを開始しました。

レッスンを続けていくうちに、僕はあることを学びました。どもりを治療するのではなく、どのように上手く付き合っていくかが大事だということを。僕はどもる自分を受け入れて、あとは人に多少どもりながらでも言いたい事を一生懸命伝えるという努力をしました。そうしていくうちに、周りのみんなが僕を認めてくれ、今では部の副部長というポジションにつくことができました。

僕はもうどもっても、いちいち気にしません。僕はこれからもレッスンを受けながら、どもる自分と上手く付き合っていきたいと思います。僕はこのレッスンに出会えたことに感謝しています

※ ひ と こ と :
約2年間にわたるレッスンでFさんが学んだこと・・・「どもりを治療するのではなく、どうやって上手く付き合っていくかが大事」。 これは珠玉の一言です。吃音を肯定的に受け入れつつ、話し方の調節感覚を実践の中で身につけていくことこそ、話し方向上の王道だと思います。



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