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カウンセリング&レッスン 体験談(26歳~29歳)(P.2) 楽な気持ちに、電話応対が楽に、他


携帯電話での通話と、事務所での電話応対での心理は大きく異なります。携帯電話では呼び出しコールの時に相手が誰かが判る、個人的に知っている場合が多いことなど、周囲に気兼ねなく気楽に話せます。しかし会社での電話応対は社名、名前を名のるなど、会社を代表する正しい応対が要求されます。周囲に人がいて自分の話す声が事務所に響く、聞かれているなどのことも重なり、緊張感が生じます。言葉が詰まることが繰り返されますと更に言いにくくなるものです。

日常会話で安定した発語感覚の素地を養うことが改善の道です。



「職場の電話応対での詰まり改善体験。」
Mさん(神奈川県在住 29歳 会社員 女性)
「電話応対時などに起こるドキドキ感の対処法をつかんでいます。」
Mさん(東京都在住 26歳 会社員 男性)
「電話連絡、セミナーでのスピーチなど、人とのコミュニケーションを楽しんでいきたいです。」
Wさん(東京都在住 28歳 会社経営 男性)
「電話応対の精神的苦しみを乗り越えて。」
Yさん(新潟県在住 27歳 会社員 女性)



(電話応対 詰まる レッスン 体験談①)

 職場の電話応対での詰まり改善体験。

Mさん(神奈川県在住 29歳 会社員 女性)

社会人7年目。これまで様々な職種に就いて働いています。今回レッスンを受けた動機は、去年から働き始めた職場の電話応対で社名の最初の文字が言えないという状況に陥り、レッスンをお願いした次第です。

振り返ってみると、小さい頃から吃音でした。そんなに重い症状ではなかったのですが、自分の言いたい言葉が頭でわかっていても言えないもどかしさがありました。でも、周りから気にされることもなく、私自身も大人になれば自然と治るものだと思っていました。

中学、高校も吃音にそれほど悩むこともなく、少し詰まるなぁ、治らないなぁ、それくらいでした。

ところが、大学になると人前で様々なことをすることが多くなりました。例えば、プレゼンテーションです。元々緊張しやすい性格でもあり、余計に自分の言葉の詰まりが気になり散々でした。教授からも「緊張していたね、大丈夫?」と同情されることもありました。

一方で、大学4年生の教育実習では、実際に教壇に立って70分の授業を行うことも多かったのですが、特に気になることはありませんでした。自分に自信を持っている時や、話すことを意識せず、伝えたいという気持ちで話すと緊張もほぐれ、意識せずに話せていたのだと思います。

大学時代のアルバイトでは接客が大好きでした。接客のときもそこまで気にすることなく業務を楽しく行っていましたが、電話対応はとても苦手でした。「お電話有難うございます・・」の後の店舗名などが出てこない、過度に意識してしまい、上手く言えないことが多々ありました。

周りのフォローもあり、なんとかこなしていましたが、この言いづらさはいつなくなるんだろうと思っていました。大人になってきたのに治らないなぁと呑気に思っていました。

社会人になると、また電話対応で言いづらさは感じましたが、そこまで気になることもなく、過ごしていました。逆に電話対応上手だねと言われることもありました。朝礼などでの発表も問題なく、はきはきとすることができました。自信も持つことができて人前に慣れてきたことも多くなったからだと思います。

ところが、去年からの職場は「タ行」から始まる会社です。入社する前に、少し言いにくそうな社名だな、と思いましたが、もう電話対応で詰まることもないだろうと入社しました。

少人数でとても静かな職場であり、電話対応は私だけの担当でした。すると、なんとも言えない緊張感の中で詰まってしまいました。それ以降「詰まったらどうしよう、言えなかったらどうしよう」という意識が重なり、言葉が出てこなくなりました。「深呼吸してから吐きながら言う」など自分なりに気休めにしてきましたが、長続きしません。

いつしか、電話対応が怖くなり、席についていることが怖いときもありました。そういう状況のときは電話で間があいてしまい「すみません」とだけいうときもしばしばありました。上司からは「自信持って」と言われるだけです。電話で社名を言うだけなのにできない自分がとても嫌になっていました。

もう自分ではどうすることもできないと思ったときに、以前大学生のときに数回お世話になった「さわやかカウンセリング」を思い出しました。まずは、HPで呼吸方法などを見ながら実践しました。

でも自分だけでやるのも限界があり、また実際にレッスンを受けて電話の恐怖から解放されて、自信を持って応対したいと思いました。

レッスンを受けていくと、まずは「吃音があってもよいんだ」という安心感がありました。はじめは先生の前でも社名をいうことにとても抵抗がありました。でも、先生から「リズム感をつけていうと言いやすい」というアドバイスをもらってから、職場で自然といえる回数が増えました。

また、はじめの言葉が出てこないという状況はなくなりました。これは、私にとって、ストレスの軽減にも繋がり、自信になりました。うまく言えないときもありますが、気にすることは少なくなりました。自分が気にするほど、相手は気にしていない、ということも感じることができました。

今後、電話応対だけでなく、人前で話すことも増えてくると思います。そんな時も、自分と向き合って話し方の向上に繋げていこうと思います。

江田先生からは「60点でよいんですよ」という言葉をいただき、話し方に完璧を求めていた自分を知りました。自分らしく、伝えたいことを伝えていこうと思います。

※ ひ と こ と :
大学生のときにレッスンを受けて、調節感覚を身につけておられたMさんですが、新たな職場環境で調子が乱れてしまったとのこと。乱れた時は、いつでもレッスンで安定感を再確認して、ステップアップを目指してください。




(電話応対 詰まる レッスン 体験談②)

 電話応対時などに起こるドキドキ感の対処法をつかんでいます。

Mさん(東京都在住 26歳 会社員 男性)

私が吃音を実感したのは13歳の時でした。自分の名前が出てこなかったのです。何か、のどに蓋(ふた)がかぶっているような感じで、その瞬間まったく声が出なかったのです。それ以来、人前で話すときや、電話応対などで、必要以上に意識が入ってしまい、私の吃音は悪い方向に向かって行きました。

中には吃音が自然に治ってしまう人もいるようですが、私には改善の光がまったく見えませんでした。そして吃音について調べていると、江田先生のさわやかカウンセリングを見つけました。今から5年ほど前の、まだ学生のときでした。
2回のトライアルレッスンと数回のレッスンを受けて、私なりに良い感覚を掴んだので、レッスンを終了しました。

しかし仕事に就き、話す場面が多くなって、以前の吃音が気になるようになったのでレッスンを再開することにしました。

そして何度かレッスンを受けて自分なりに「ゆるやかペースで、言葉を伸ばす」という練習を繰り返しました。しかしレッスンの時は吃音はあまり出ないのに、日常になると途端に言葉が出てこなくなる現象がありました。
電話応対などでは、どのタイミングでかかってくるかが分かりませんので、コールが鳴ると心臓がドキドキして、スムーズに言わなくてはいけないという自分自身に余裕がない極限状態の中で受けてしまいます。レッスンでの「ゆるやかペースで、言葉を伸ばす」ことが実践できていない事に気がつきました。

先生に相談したところ、電話応対での社名や名前など、決まったフレーズを紙に書いてそれを読み上げる感覚で言うことを勧められたので実践してみました。
すると不思議なことに、「言う」という意識から「読む」という意識に変わったのか、詰まることが少なくなり、最初のフレーズがスムーズに言えたことにより、電話応対に自信がついてきました。その後の会話も気持に余裕が生まれ、詰まりにくくなりました。吃音は意識的な部分でかなり影響を受ける事がわかりました。

私の場合は、言いにくい言葉が固定されています。なので、言いにくい言葉の前には、軽く「えー」という喉に力みのはいらない自然な音を付けてしゃべるようにしています。そんな工夫の実践で今ではだいぶ改善されてきました。しかし時々詰まってしまう時もあります。そういう時は、レッスンで使用している、テキストの音読をして、「ゆるやかペースで、言葉を伸ばす」ことのイメージを思い出すようにしています。

今まで吃音のせいで、言葉が詰まって恥をかいた時もありました。今でも詰まると恥ずかしいと思う時もあります。しかしいつまでもそんな気持ちでいるのは嫌ですので、レッスンを受けて少しずつ、正しい話し方、話し方のリズムを体に植え付けているところです。
そして最終目標として、電話応対時などに起こるドキドキ感をなくし、話すことへの抵抗をなくしていきたいと思っています。

※江田よりのコメント:
吃音改善は「治る・・治らない・・」を問う世界ではなく、あくまでも安定した発語感覚を実践し続けることにあると思います。




(電話応対 詰まる レッスン 体験談③)

 電話連絡、セミナーでのスピーチなど、人とのコミュニケーションを楽しんでいきたいです。

Wさん(東京都在住 28歳 会社経営 男性)

私と吃音との出会いは中学生の頃です。部活の友人がとても早口かつ吃音だったので、周りからよくからかわれていました。私も周りに合わせて同じように真似をして彼を小馬鹿にしていたのですが、いつの間にやら自分も早口になってどもるようになってしまいました。

さらに、私は生徒会の役員もしていたので時々、全校生徒の前で話す機会があったのですが、一番ひどい時は1分間ほど沈黙してしまい言葉が出てこないという辛い経験をしました。それからは人前で喋ることをなるべく避けるようになっていきました。

大学へ進学し上京した後も不安はいつもありました。時にはコールセンターで特訓を受けようと頑張ってはみたのですが、研修の段階で言葉が詰まってしまい、やっぱり自分はダメなのか・・と挫折した経験もあります。また、英語が好きだったのでアメリカへ短期留学へ行きましたが、外出先からホストファミリーに電話をした時も少し詰まってしまうという経験もしています。

私は20代前半の頃から起業に興味があり、セミナー事業などに挑戦したいと思っていたのですが、やはり吃音の不安は常にありました。書店にいって吃音関係の本を読みまくりましたし、ネット上での情報収集をしましたが、ほとんどはネガティブな情報ばかりで悪い影響を受けていたような気がします。

そんな時に知ったのが「さわやかカウンセリング」でした。今からちょうど3年前くらいに知り、一度電話でのレッスンを体験してみましたが、その頃はそれほど人前で話す機会もなかったので、自分の中ではあまり困っておらず、結局すぐに辞めてしまいました。

それから3年くらいして個人でやっている事業がだんだんと良い状態になってきたので、法人化を考えたのですが、やはり吃音の不安があったので、今度は腰を据えて長期間お世話になろうと決意して、はや3ヶ月ほど経ようとしています。月2回のレッスンをコツコツ3ヶ月続けただけでもかなり改善したというのが今の気持ちです。

私が吃音で悩んでいる時に心の拠り所にしていたのが、このホームページの皆さんの体験記です。体験記はどれも素晴らしく、このような良い体験記が載っているのであれば自分ももしかしたら吃音の悩みが短期間でなくなるのではないかと思っていましたが、やはり何ごとも地道な努力と実践が必要なんだなと実感しています。

ちょうど2週間くらい前、会社の法人化の相談で弁護士事務所を訪ねたのですが、自分の中では内線の電話の際に詰まってしまうかが不安でした。けれど、レッスンで江田さんから頂いたアドバイスや、それまでの3ヶ月間、計6回の練習をコツコツ頑張ってきたことが自信となって、当日は多少の緊張はありましたが、相手に自然に伝えることができて本当に嬉しかったです。

会社を法人化したこともあり、電話連絡をはじめ、今後はセミナーで説明したり懇親会で人と喋る機会がたくさん増えると思いますが、これからもコツコツとレッスンを受けて、人々とコミュニケーションを取ることの楽しさを味わいたいと思います。

一時は何もかもがうまくいかなくなり、もう生きている価値なんて自分にはないという状況まで追い込まれていた過去の自分が嘘のようです。今後共よろしくお願いいたします。

江田よりのコメント:
28歳で自分の会社を法人化し、事業説明会、セミナーを開催しているWさんですが、私からのアドバイスとして一言。
集った方々にはぜひ丁寧に、自然な速さで話すよう心がけてください。熱意が前面に出て、早口でまくし立てられるのは聞く側として決して気持ちの良いものではありません。誠実感、揺るぎない自信が伝わる話し方を探り、実践を心がけていれば、多くの人々がWさんの賛同者となることでしょう。




(電話応対 詰まる レッスン 体験談④)

 電話応対の精神的苦しみを乗り越えて。

Yさん(新潟県在住 27歳 会社員 女性)

普段話をする時に言いづらかったり、うまく言葉が出てこない感覚は、小学生くらいの頃からずっとありました。しかし、それは日常生活に支障をきたす程、ひどいものではなく、多少引っ掛かる程度で、特に困ることはありませんでした。

しかし社会人5年目の7月頃、突然、電話で「ありがとうございます」の「あ」が言えないことがありました。頭の中では言おうとしているのに、声が出て来ないのです。自分に何が起こっているのか理解できず、パニック状態で、心臓はバクバク、手は震え、何とか声を絞り出し、その場を凌ぎました。
それからというもの、電話で話す時に限って、とても話しづらくなっていったのです。最初は「ありがとうございます」だけが言いづらかったのが、どんどんひどくなって「失礼します」や「宜しくお願い致します」や自分の名前さえも言えなくなっていきました。

吃音症状が出始めた最初の頃は、何回かどもらずに言えると安心して、胸を撫で下ろすこともあったのですが、徐々に一回の失敗の不安の方が大きくなり、毎日電話のことで頭がいっぱいで、不安が日々増大していきました。

この頃の私の精神状態は最悪でした。朝起きてから夜寝るまで、常に不安で、胸は詰まったような感覚がずっと続きました。特に会社で電話が鳴ると、それだけで心臓は瞬時にバクバクし、緊張は一気にピークに達しました。電話を取れば、頭が真っ白になり、ただ「ありがとうございます」と言うだけなのに、それすら言えない・・・。周りの人も私の異変に気づいて、心の中で笑っているかもしれないという心配も大きくなる一方でした。誰にも相談できないことも、とても苦しかったです。
少し前まで、普通にこなしていた事がどうして急にこんなことになっているのかが全く理解できず、現実に起こっていることが信じられませんでした。「2~3日休養したら、次の日には治っているかもしれない」と思ったこともありますが、魔法が解けたように何でも話せる自分に戻っていることは決してありませんでした。まるで悪夢を見ているような気分でした。

しかしそれでも、電話で話ができるよう、何かできることはないか、自分なりに必死で調べたり、いろいろ試したりしました。電話に出る時の出だしのタイミングを考えたり、息継ぎをする所を変えたり、あるいは発音に関する病気を調べたり、ネットで電話について何かヒットする内容がないか検索したりしました。けれどなかなか現実を打開する方法は見つけられず、途方に暮れました。会社を辞めれば、この苦しみから解放されるのに・・・と、退職さえ、何度も頭をよぎりました。

そんな模索状態にあった頃、「さわやかカウンセリング」のHPを発見しました。すると・・・どうでしょう!今まで私が抱えていた問題が驚くほどぴったり一致するのです。
私だけが困っているのではなく、病気でもなく、他にもたくさんの人達が同じような状況で苦しんでいるんだと知ることができ、安心しました。

その時、私はすぐにでもカウンセリングを受けようとも思ったのですが、「このレッスンを受けても良くならなかったらどうしよう」という思いがあり、もう少し自分で頑張ってみて、それでもだめなら、最後の切り札としてレッスンを受けてみようと思いました。

「さわやかカウンセリング」HPを見つけてから数ヵ月後、「もう自分一人だけの力ではどうにもできない。レッスンを受けても何も変わらないかもしれないけど、とにかくやってみよう」と決意しました。
実際にレッスンを受けてみて、今、私が一番大事だと気づいたことは、「現実を素直に受け止める」ということです。

レッスンを受けて半年ほどした頃でも、私は電話に対するドキドキ感や言葉の最初に詰まるような感覚が消えないことに悩んでいました。江田先生にそれをお話したところ、「意識が強すぎるのかもしれませんね」というような事をおっしゃられました。
その時、私は気が付いたのです。私はわりと真面目で完璧主義なところがあります。電話で、1、2回うまく言えるだけでは納得せず、心のどこかで、常に普通に言えるようにならなくてはダメだと思い込んでいたのです。だから、1度つっかえてしまうと、「まだだめなんだぁ・・・」と、自分を見下す傾向にありました。

ですが、そのことに気が付いてからは、「そんな急には変わらない。ドキドキしても、緊張しても、言いづらくても、つっかえてもいいんだ!」と心の底から思うことができました。それは、江田先生がレッスンの最初の頃からずっと、おっしゃっていたことなのに、私は、本当の意味を理解できていなかったのです。それからは、心の重荷が取れたようで、少しずつ楽になっていきました。
緊張して固くなっている自分にも気が付くようになり、「今、すごく力んでいるから、もっと力を抜こう」と思い、そうすることで、少し楽に電話に出ることもできるようになりました。
「ありがとうございます」や自分の名前も言えるようにはなりましたが、今でも、話しづらさや緊張感は残っています。ですが、それでもいいのです。それで十分なのです。

私は趣味でテニスをしているのですが、吃音に苦しんでいた同時期に、テニスでも突如として、フォアハンドストロークが打てなくなる症状に悩まされていました。これはまさに吃音と同じもので、ボールを打つ瞬間、心臓がバクバクして、頭が真っ白になり、いつもは打てるはずのボールが全く打てなくなる症状です。(調べたところ、イップスというそうです。)これも経験者しか分からない感覚です。
しかし、テニスでもそんな自分をきちんと受け止めて、いい意味で自分を諦めさせ、どうしたらうまくいくかではなく、打点に集中したり、ボールの回転に集中することで徐々に克服することができています。

なりたい自分に近づこうと努力することは、とても大切なことです。しかし、なりたい自分に近づこうとしすぎるあまりに、そればかりに意識が集中し、できることもできなくなってしまうことがあるのだと思います。
これからも私にとって厳しい経験が待っているかもしれませんが、その時の自分をきちんと受け入れて、自分の気持ちをコントロールできるようになりたいです。

※江田よりのコメント:
Yさんは模範的とも言える、とてもきれいな話し方をします。問題は過去の引っかかり経験がトラウマとなって尾を引いていることです。
Yさんのおっしゃるとおり、「こうありたい」自分に近づこうとし過ぎると、完全主義的傾向が強くなり、ちょっとしたことでも自分を卑下してしまうことになります。多少の詰まり感覚があってもそれを受け入れつつ、Yさんなりの安定感覚を実践し続けていくことに尽きるようです。




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