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電話で言葉がつまる| レッスン体験談(30~39歳)(P.11) 確実に良くなっている喜び、他

    

 確実に良くなっていることをひしひしと感じます。

Mさん(東京都在住 36歳 会社員 男性)

3年弱にわたりレッスンを受けております。私は、中学生時代に言葉が詰まるようになり、現在まで20年以上付き合ってきました。多くは忘れてしまっているものの、思い出すだけでもとても恥ずかしくなるような失敗は多々あります。今まで悪戦苦闘しつつ何とかやってきたという感じです。普段心がけていることなどを参考までに記載させていただきます。

特に苦労しているのは電話です。私の場合は、会社名と名前が無事に言えるかが問題で、自分から掛ける時、受ける時とも、いまだに何回も恥ずかしい思いをしています。「もし、つまった時に相手の人はどう思うのだろうか・・・」、「社内の周りの人、特に上司はどう思うのだろうか・・・」と考えて非常に不安になり自滅してしまっているのではないかと思います。頭では分かっているのですが上手くいきません。

ただ、電話で実際に本当にまずい事態になったことは無く(かなり恥ずかしい思いはしても)、相手の人も声で私と分かるらしく、つまって名前が言えないでいても「○○さんですね、お世話になります」と笑って言ってくれることが多いです。こちらも笑ってすいませんと言って、本題に入って一応用を済ませています。
そうは言っても、なるべく周りが賑やかな時など、気持ち的に電話を掛けやすい時を待って電話をする、メールで済む件はメールで済まして電話を減らす、などで適当に休みながら日々がんばっているところです。

人前で話すのもとても苦労しています。ここ数年、会議やセミナー等で人前で話さなければならないことが何件かありました。私にそういう場を与えるのもどうかと思いながら、避けて通ることもができない場合は何とかがんばって取り組んで来ました。だんだんその日が近づいてくると「本当に無事に終わることが出来るのだろうか」という不安が増し、緊張がこの上なく高まります。そして、かろうじて何とか無事に終わる(一応形になる)と心からほっとする、という繰り返しです。

これまで、心がけてきたことは、準備に時間・労力を徹底してかけ、練習を繰り返し行うことでした。準備では、話すポイントだけではなく、一応一語一句(例えば、私は○○社の○○と申します、まで)書いた原稿を手持ち資料として作りました。そして、調子よければ、何も見ないかポイントだけ見てある程度自由に話し、調子が悪くなった場合は、手持ち資料を朗読して乗り切ろうという方法を考えました。最悪、朗読すればよいと思えたことにより、ある程度安心感は高まりました。

実際のスピーチでは、途中で気持ちの張りが弱くなり緊張が高まって、まずくなりそうな状況が何回か(1回のスピーチで1、2回ぐらい)ありましたが、レッスンで教わった「調節感覚」を思い出し、あぶないながらも踏みとどまり何とか最後までたどり着いた、という経験をしています。実際に何回か乗り切れたことは自信になりました。

次の話す機会が来たらまた同じように準備、練習によりできるだけ備えをし、ベストを尽くそうと思っています。

電話も人との会話も、私の場合はどうも調子がよい時期と悪い時期の波があるようです。絶好調の時期には、このままもう吃音は出てこないのではないかと思えるぐらいの時もありましたが、しばらくすると調子の悪い時期がやって来ました。そして、また良い時期が来るという繰り返しですが、調子悪い時期にそのままチャレンジしないと良い時期は戻ってこないようです。とはいっても、ストイックにがむしゃらにがんばるのではなく、ある程度適当に休みながら(ストレスをあまりためずに)取り組んでいます。

また、これは昔、本かインターネットで見たことかと思いますが、「西洋医学のように吃音を一瞬にして(外科手術のように)切り離すのではなく、東洋医学のように吃音をいったん自分の一部として受け入れてある程度時間をかけて付き合っていくと良い」という考え方がとても参考になり、今でも私の考えのベースになっています。

電話レッスンを受けるようになってからの3年弱を改めて振り返りますと、以前よりも確実に話し方が改善していることをひしひしと感じます。会議など人前で話す時に以前に比べると緊張しなくなっていますし、大失敗することもありませんでした(中・小の失敗はあっても)。また、日常生活で調子が悪い時期でもレッスンをすると調子の良い時を思い出させてもらえますし、何よりも吃音に一緒に立ち向かってもらえると思えることが、非常に心の支えになっています。

※江田よりのコメント:
Mさんとのレッスンは約3年間させていただいておりますが、その間、日常の電話業務の他、催し物での司会、会議・セミナーでの発表、テレビのインタビューで話すことなど、様々なお話し場面に接しておられます。これからも実践を重ねる中で、スピーチの自信を深めてください。




   

 目標はアナウンサーのように話すこと。

Tさん(神奈川県在住 31歳 会社員 男性)

私は31歳の会社員です。物心ついた時から話をするときどもっていました。どもりを疑問にも思っていませんでしたし恥ずかしいとも思っていませんでした。

しかし小学校の授業で席順に本を朗読する時、自分の番になって読んだ時、ある箇所で「と・と・と・時に」とどもりました。その後「友達からなんでどもるの?」と言われ、その時から吃音を意識するようになりました。

それからはどもって話をすると周りから笑い声がするのが聞こえ、恥ずかしく思うようになりました。吃音を経験した方はそうだと思いますが、どもらないようにと意識すればするほど始まりの言葉がつまってしまいうまく話せません。どもるとみんなに笑われる、みんなどもらないのに自分だけどもり恥ずかしい、と悪循環の繰り返しになるのです。みんなのように普通に話がしたいと思えば思うほど、出来ない自分にイライラがつのりました。

治すために何軒も精神科を親と一緒に回りましたが「気にしなければ大丈夫」、「本人の気持ち次第です」「どもっても気にしなければいいんです」など気休め的な返答しかかえってきません。確かに気の持ちようかもしれませんが、それができないから悩んでいるのです。コンプレックスになりました。

それから小、中、高校を卒業してからも自分の話し方に悩みました。どもらないようにと色々なことをしましたがなんの効果もありません。話をするときも「か行」や「た行」など特にどもりやすい言葉は、無意識に避けて話をするようになりました。

高校まではそれでも良かったのですが社会人になったらそうもいきません。アルバイトの延長で小売業のスーパーに就職しましたが、お客様を相手にする職業ですから今までのようには避けることはできません。電話応対も多く、しかも朝礼ではみんなの前にでて話をしたり、商品の案内など店内放送をしなくてはならないのです。

本当に苦痛で仕方ありませんでした。どもらないようにどもらないようにと意識しても最初の言葉がでてきません。息苦しくなってしまいます。すらすら話せる上司が羨ましくてなりませんでした。「なぜ自分だけ・・・」「一生どもるのか・・」そんな気持ちが年をとるほど大きくなります。下っ端の時は上司にやってもらったりしてなんとなく逃げてきましたが部下ができるとそうはいきません。「俺はどもってるよ。」と明るく言えればいいのですがそれも恥ずかしく、部下につっこまれても「緊張するとあがっちゃうんだよね」とか誤魔化してきました。でも部下が自分のいないところで笑っているのでは?とか思うとよけい恥ずかしくなります。仕事をやめて人と話をしなくていい仕事を探そうと何度も思いました。

一番辛かったのは家内にどもって話をしたら「なんでどもんのよ」と笑われた事です。死ぬ程恥ずかしくなりました。同時に自分にすごい苛立ちを感じました。自分だって気持ちよく話がしたい、好きでどもってる訳じゃない、なのにどもってしまうもどかしさ・・・どうしようもありませんでした。

主任に昇格し、話す機会がふえ、逃げる訳にもいかず、より一層どもりをなんとかしなければと感じていたそんなある日、サイトで「どもり」を検索しました。その時、江田先生の「さわやかカウンセリング」を見ました。先生自身が吃音だった事、それを克服して今の仕事をしている事、同じ悩みを持つ体験者の体験談などを「うん、わかるわかる」と思いながらみました。ここなら直せるかもと思い、レッスンの申し込みの電話をしました。

はい、さわやかカウンセリングです」「あ、あ、あ、あの~サイトを見てレッスンの申し込みをしたいのですが」とどもりながら電話をしたのを今でも明確に覚えてます。病院の時のように君の気持ち次第だとか同じことを言われるかと思っていたのですが、先生はどもりながら悩みを伝える自分の話を笑わず最後まで聞いてくれました。すごく嬉しかったです。

こうしてカウンセリングが始まりました。しかし自分としてはことばが詰まることをなくして欲しいのにカウンセリングの意図が自分の思いと違うのでこれで直るのか?と不安に思いました。でもカウンセリングを通し、だんだんとらえ方が変わっていきました。どもらなくしようとするのではなく、話をする楽しさを体で覚える、結果として周りから見てどもらなく感じる、そう思えるようになりました。

また、ここ最近レッスンを通しちょっとしたコツを得ました。それは言葉の前に軽く「え」という言葉を入れる事です。「え」という言葉はすらっといえますし、テレビの国会等、政治家の話を聞いてるとよく「え~○○○」と言っています。これは先生もカウンセリングの中でおっしゃっていたことですがその当時は「え」という言葉をいれても区切ってしまう為、結局どもってしまいました。それが今は自然にそつなく言えるようになりました。ひとえに地道なカウンセリングのおかげです。

「た行」「か行」などのことばで、まだまだどもってしまうこともありますが以前と比べ、喉に力みの入れない自然な「え」を意図的に言う事で大抵はすんなり話せます。自分の話し方に少し自信がつきました。この自信が話すことの楽しさにつながりました。

今は国家試験の勉強をしていますが、一人の時も時折、本を声を出して読んでいます。すごく読むのが楽しく感じます。職場でもどもってしまうという緊張感がなくなり気分的にも楽になり、多少は詰まる感じを覚えながらも人前で話せるようになりました。

習うより慣れよとはよくいいますが、カウンセリングを通し確実に変化している自分を感じます。先生との電話のやりとりが今まで話すことから逃げてきた自分を会話に慣れさせてくれました。

どもらないように話そうとするのではなく、楽しく話せるんだ、話せる自分がいるんだというこの自信を常に意識しながらこれからもカウンセリングを通し経験を積んでいきたいです。

継続は力なり。目標はアナウンサーのように相手に聞きやすい話ができるようになることです。

※江田よりのコメント:
どもらないように話そうとするのではなく、安定した話し方がどんな感覚なのかをこれからも探って、Tさんなりのお話しスタイルを育ててください。



 あわてないで話ができるようになりました。

Nさん(千葉県在住 30歳 会社員 男性)

それは本当に突然でした・・・。

電話をとると、ドキッとした感覚と多量の冷汗と共に、自分の名前が出てこなくなったのです。
すごく焦りました。その後電話ととる度、名前が言えず、周りにも笑われ、度が超えて心配までされる始末です。発言することがすごく嫌になり、落ち込んでいました。会社に行くのも、話をすることも嫌になり、毎日が苦痛の連続でした。

そんな気持にあった時、インターネットで「さわやかカウンセリング」に出会いました。とにかく、気兼ねなく、他人と実際に会話をすることが重要だと思い、レッスンを受講することにしました。
レッスンでは色々とアドバイス受け、回を重ねていくうちに色々なことに気がつき実践し始めました。

■私はもともと早口で自滅していることがわかったので、スピードを落とすのですが、ただ落とすだけだと逆に絡まってしまうので、出始め、つなぎ部分を延ばしたり、所々「あー」とか「えー」とか軽くはさむようにするとうまくことばが流れること。

■どもるときは、息を吐いた状態になっていたことに気がついたので、余裕をもって軽く息を吸ってから話し出すと良いこと。

■どもりで発言に自信がなくなっている、すなわち声が小さくなっていることに気がついたので、開き直って、大きめの声を出して話すようにしたこと。(自分では大きい声だなと思っていましたが、他人からするとそうでもないみたいです。)小さい声を出すことに慣れていると大きい声を出すのは本当にしんどいですが、根気よく続けたこと。

■どもる瞬間は、脳みそがキューッと詰まるような感覚に陥り、極度の緊張が一瞬に湧き上がって、ドッと冷汗が出て「やばい、またこの感覚だ!なんとかしなければ・・」となるのですが、逆に逆らわずに、心の中で「あーこの場面でどもるんだね。すごく恥ずかしいし嫌だけど、仕方がないね。しょうがない。そんなもんだ・・・」と、この状態のありのままの自分の気持を認識するために、心の中で発言し問いかけ続けたこと。

■レッスンでは、うまく言えてしまうのですが、実際の会話で意識的に、スピード調節をして、どのスピードが自分にとって合うかを探りながら話したこと。そしていると、ほんの少しだけスピードを落とすことが自分にとってベストだということがわかった。

■自分の名前を言うときが一番苦しかったので、どこに原因があるのだろう?と考えていると、仕事で自分の説明が下手で相手に思いが伝わらず、上司に怒られていたことが思い出された。おそらく心理的に、自己否定し続けてきた代償かもしれないと思い、少しでも話が上手くできたなら、「よくやった。さすが!」と心の中で発言し、自分自身をほめ続けたこと。

以上の事を意識して実践していくうちに、調子よく話せる日とそうでない日が波を打ちながらでしたが、本当に少しずつ、調子よく話できる日が増えてきました。

そしてレッスンを始めて1年がたち、ようやく「ドキッ」としないで、どもらず話ができるようになりました。直ったというのではなく、どもる直前の”予感”があったときの自分の話し方コントロールを身につけたということだと思っています。

ここまで来るまで長く辛い旅でした。それまでは、ことばがつまるということで、自分自身を否定し、傷つけてきたんだなと思いました。
詰まり感覚があっても自分を好きで生きていこうと思っています。

※江田よりのコメント:
Nさんの今の結果は、日常会話でのさまざまな前向きな実践の表れだと思います。あらゆる感情を肯定的に受けとめながら、これからも良きお話し習慣を培ってください。




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