子どもの吃音(どもり)の原因 & 改善について
このページでは、子ども(幼児)の言葉の発達時期にみられる吃音(どもり)の症状、原因(引き金になる要因)、親として心がけていただきたいこと、改善の方法などを説明いたします。
■ 目次 1.子どもの吃音(どもり)の特徴 2.子どもが吃音になる過程 3.子どもの吃音の原因(引き金になる要因) 4.親として心がけていただきたいこと 5.子どもさんの吃音改善のお母さまの手記 |
子どもの吃音(どもり)の特徴
子どもの吃音はこんな言い方が特徴です。
■「ぼ、ぼ、ぼ、僕はね~」のように、初めの音を繰り返します。(連発)
■「ぼ~くはね」のように、初めの音を不自然に引き伸します。(伸発)
■「ぼ・・・・」のように、出だしの言葉に詰まり、発声がブロックされてしまいます。(難発)
また、言葉が出にくいので、無理に言おうとして不自然な体の動きをともなうことがあります。
例えば、手足をふる、指をクロスさせる、体をのけぞらす、足で床をトンと踏む・・・などです。
小学生の高学年になると苦手な言葉やどもりやすい言葉を、同じ意味の別の言葉に言い換えることもするようになります。また、言えないので黙ってしまうこともあります。
子どもが吃音になる過程
■もともと話をすることは難しいことではありません。
赤ちゃんが声を出して泣き、初めてのことばを出す。だんだんとことば数が増えてくる・・・自然な成長過程です。幼児は耳で聞いたことばをそのまま自分の口に出します。身体上の特別な欠陥がない限り、またインドで狼に育てられた少女アマラとカマラのような特別な環境でない限り、誰でもことばを覚えて話をします。
そもそも話すという行為は、歩いたり走ったりするのと同じ様に、言い方をひとつひとつを意識することなく、覚えた言葉でそのまま口に出すものです。幼児期は自分の憶えたことばを何の気兼ねもなくそのまま発していける環境なので、「うまうま」「ワンワン」「ちょうだい」など、何でもことばに出しますし、お母さんも周りの人たちも皆かわいいと喜んでくれます。すべてが受容される世界です。赤ちゃんにとって声を出して話をすることは心地よいものなのです。
■子どもの成長とともに周囲から話し方の要求が加わってきます。
しかし、幼児から小学生低学年と子供の年齢が増すにつれて、話すことへの社会的要求が子どもに課せられてきます。ことばの発達段階での話し方の注意を受けたりすると、話すことを控えるようになることもあります。
■子どもがどもる意識を持つようになるのは小学高学年ごろから。
子どもの吃音の特徴としては、「ぼ・ぼ・ぼ・僕はね・・」などの“連発”。「そ~れでね」「た~かし君がね」など不自然に長く伸ばす“伸発”。出だしの音が出ず、息んだままブロックしてしまう“難発”。手や足を動かして、体の動きをつけて話す随伴行動などがあります。また、言いにくいことばを他のことばに言い換えて言うことが多くなったりします。
幼児期(子ども)はことばの発達段階ですので、どもっていても大方は成長とともに消えていくものです。けれど、そのまま引きずって定着することもあります。
また子どもの場合の多くは「仮性の吃音」で、どもる意識が根付いてない状態です。子供は自意識(他人が自分の話し方をどう思うのかという意識)が浅いので自分の発語をチェックする意識は弱く、心の領域にまでは及んでいません。
小学生高学年ごろになると他人(友達)と違って変な話し方なのかなと自分で思うようにもなります。この辺りから子どもであっても大人と同じ吃音意識が芽生えてきます。
■子どもの吃音の固定化
詰まりながら話していると、社会生活(学校)で支障が出てきます。
個人の性格やストレスの度合いにもよりますが、どもったことで笑われたとか先生に訂正されたとか、上手く言えなかったという失敗経験が重なりますと、吃音意識の固定化につながっていきます。
学校での音読、発表などが不安で、予定がわかっていると、子ども心にもかなり前から心配になります。
子ども吃音の原因(引き金になる要因)
吃音の原因が何であるかを解明することは出来ませんが、子どもにとって吃音になりやすくする要因と思われるものをいくつか記してみますと・・・
■ 驚いた時などにうまく言葉が出せなかったことが記憶に残り、話すことへの恐怖心を持つようになってしまった。
■ どもって話す子の言い方をふざけて真似していたら、詰まる感覚を覚えてしまった。
■ 転校などの環境の変化。
■ 親の不和などによる家庭内のストレス。
■ 家族が極端な早口、または吃音である。
■ 厳しいしつけ、親、教師などから叱責を受けた。
■ どもって話すことを笑われたこと、また大人(親、教師など)からの話し方の細かな忠言があった。
■ 左利きを無理に右利きに変えようとするような精神的ストレス。
・・・など、さまざまです。これらがあると吃音になるということではありません。あくまで子供にとって吃音を助長する要因として捉えてください。
親として心がけていただきたいこと。
ご自分の子どもさんへの対応として、吃音の要因の項目で挙げた環境に該当するところがあったら、それを少しでも取り除いていくことをお勧めします。
具体例として・・・
■転校した場合、子どもにとって環境の変化によるストレスは話し方に影響を出すものです。できるだけ新しい環境からくるストレスを軽くしてあげる。
■子どもがどもって話していても、指摘しない。せいぜい「ゆっくり話そうね」程度の言葉がけ。
■親が早口でなく、緩やかなスピードで子どもに話しかける。
■家庭内のトラブル・不和があれば努力して軽くしていく。
■放課後の学習塾、習い事のスケジュールを見直して、子どもが息抜きができるようにする。(適度なスポーツはストレス緩和に役立ちます。)
■学校の担任に事情を話し、吃音の理解を持ってもらう。
■どもることがあっても決して能力が劣っているのではないことを子供に聞かせ、励ましてあげる。
要は、子どもに過剰なストレスをかけない、不安を軽くしてあげることです。
子どもさんの吃音改善のお母さまの手記。
(写真はイメージです)
子どもさんを持つお母さまの手記です。幼児期の話し方の症状、親としてどのように対応しておられるかが記されています。
子どもの話し方が改善されているのがわかります。
Kくん(神奈川県在住 小学生2年 男子)のお母様の手記小学生2年の子どもの母です。インターネットのスカイプのビデオ通話を使ってのレッスンを、週一回のペースで始めてから4か月になります。
子どもにどもる症状が出始めたのは2歳半頃でした。少し歳の離れた兄の習い事や受験などで忙しい時期が何年も続き、慌ただしい生活をさせてしまったと今更ですがとても後悔しています。
何度も健診などで相談しましたが、「幼少期の吃音は自然に治るので心配いりません。」というお話でした。
ところが子どもの場合は良くなるどころか悪化していき、とうとう2年生の夏休み前に発表中にお友達から笑われるという状態にまでなってしまいました。それまではお友達からからかわれることもなく過ごしてきただけに、私自身とてもショックで食事も喉を通らないほどでした。
しかし、落ち込んでいても改善にはつながらないので、気持ちを切り替えて「少しでも良くなるように出来る限りのことをしてあげよう。」と思うように心がけました。
それまでは子どもに吃音を意識させない方が良いと思ってきたので気付かないふりをしてきましたが、これを機にきちんと話して、お互い吃音について気軽に話せる関係になった方が良いと思い、思い切って子どもに話しました。ただ、「吃音は障害」というようには決して伝わらないようにして、「話す時に力が入って言葉が出にくくなってしまう単なる癖」という言い方をしました。
子どもに話すかどうか非常に迷いましたが、言葉の悩みを聞いてあげたり、励ましてあげたりできるようになったので、話して良かったと思っています。
そして子どもの理解が得られたところで、次に少しでも実際に改善、もしくは相談できる所はないかと検索しました。吃音を矯正しますという怪しいHPが多い中、今まで見たことのない「さわやかカウンセリング」のHPに目が留まりました。直感でこのHPは信用できると思い、隅から隅まで読んでみたところ、江田先生の考えにとても共感でき、実際にレッスンを受けさせてみたい!と思いました。
子どもは男性のタイプによっては緊張してしまう所があるので少し心配しましたが、体験レッスンがあるので気軽に申し込めました。私の心配をよそに、リラックスしてレッスンを受けることができ、終わってから「レッスン楽しかったよ!先生優しいし、先生みたく上手に話せるようになりたいからまたレッスンしたい!」と話してくれました。
私もレッスンの最後に江田先生とお話することで吃音の理解が深まるとともに、不安な気持ちが徐々に和らいでいき、子どもにも余裕をもって接することができるようになりました。
先生はレッスンで「車を運転する時はぶつからないように慎重に運転するよね。話す時も同じで、急いで話そうとするとつまってしまうから、ゆっくりぶつからないように話すといいよ。」と分かりやすく説明して下さるので、すんなり理解できるようです。レッスンを活かして、日常生活で言葉につまってしまった時など「今ちょっと急いで運転しちゃったね!ゆっくり運転してね~。」とお互い笑顔で話すことができます。
レッスンではテキストに沿った会話練習や朗読の他、子どもに色々な質問やお話をして下さいます。楽しい雰囲気の中で、発語回数を増やしながら日常会話の練習もして下さるので本当にありがたいです。おしゃべりでない子どもが楽しくて話が止まらなくなってしまう時もあるくらい、話を上手く引き出してくださいます。またよく褒めて下さるので、自信を取り戻していったようです。
そしてある日のこと、学校から帰ってくるなり、「今日勇気を出して手を挙げて発表したよ!少しつっかえたけど上手く言えたよ!」と嬉しそうに話してくれました。
数か月前の状態から考えると、想像もできないほど嬉しい報告でした。話し方に関してだけでなく、精神面でもフォローして下さるので、子どもも自信を取り戻し発表する勇気を出せたのだと思います。そして、子どもだけでなく私自身も先生にアドバイスを頂けることで心配や不安が消え、暖かい目で見守れるようになれました。
レッスンを始めてまだ4カ月なので環境の変化によって調子が良くなったり、悪くなったりの波があるかと思いますが、子どもの吃音は確実に改善されているのがわかります。安定した発語感覚を身につけ、安心感が育ち、自分なりの話し方を習得してくれればいいなと願っています。
(子ども 吃音改善 体験談②)
子どもの吃音改善の方向を見いだせたことに“感謝”の一言です。
Mくん(愛知県在住 小学生6年 男子)のお母様の手記
子どもは現在小学生6年です。子どものどもる話し方は成長するにしたがい、ひどくなりました。普段リラックスして友達と談話している時は、さほど気にならないのですが、音読の練習となると、一区切りごとに詰まり、体を揺らし弾みをつけてやっと発声できる、と言う状態でした。それは簡単な挨拶にまで及びました。一学期終わりの個別懇談では、先生から「とにかく音読の時、顔までこわばってしまうほど緊張しています。」と言われました。本人はスムーズな発声が出来ない事に少々苛立ち、自信も無くしかけていたようでした。
しかし唯一幸いだった事は、クラスではその事を笑ったり指摘したりする子供は一人もいなかった事です。本当に感謝致しました。
しかし学年が上がり、新しい出会いがあるたびその心配は付いてまわりました。子供の将来を考えると悲観的になり、いてもたってもいられず、少しでも治す方法を教えて下さる所があれば、全国どこへでも参ろうと思いました
にもすがる思いで、インターネットで探しさわやかカウンセリングのホームページに出会った時は、暗雲の中一筋の光が差したような気持ちで、子供と手を取り喜びました。早速カウンセリングを申し込ませていただきました。6回までは毎週レッスンをしていただきました。
1回目のレッスンの翌日、子供が明るい声で「今日ね早速効果があったよ!教えてもらったようにやってみたら上手く音読できたんだよ!お母さん江田先生とよく出会えたね!」と帰宅するなり息を弾ませ報告してくれました。嬉しかったです。
電話でのレッスンの様子を見ておりますと、まずテキストから入り、現在国語の授業に使用している教科書の音読も先生に聞いて頂いておりますが、不思議な事に、全く吃音がわからないほど、すらすら読めているのです。正直大変驚きました。
先日二学期終わりの個別懇談で担任の先生から「お母さん、子供さんの吃音随分良くなりましたね。どこか教室行かれてるのですか?」と言われた程でした。先生のホームページにもありますように、改善していく意識の置き所は、やはり『吃音は治すのではなく、話しやすい調節感覚を身につける事。そして、あせらないでゆっくり相手に良く伝わるように話す事』のようです。
江田先生の優しいゆったりとしたお声で、相手に非常にわかりやすいお話しのされ方は、子供だけでなく私も参考にさせて頂き、子供と共に「江田先生のように」を合い言葉に、これからも相手に伝わりやすい話し方を目指していきたいと思います。
(子ども 吃音改善 体験談③)
私達の選んだ吃音改善の道は間違いではなかったと思っています。
Tくん(京都府在住 小学生4年 男子)のお母さまの手記
現在、小学生4年の子どもの吃音に気付いたのは、幼稚園の年少の終わりの頃でした。 「お母さん」、「電車」などいつもスムーズに話せていた言葉が、ある日「お、お、お、お母さん」、 「で、で、で、電車」と最初の言葉を繰り返すようになりました。それが頻繁になり、ある日 「おー、おー、・・・・」と「お母さん」という言葉がまったく出てこなくなってしまい、「しゃべれないー。僕、バカになってしまったー。」と大声で泣き叫ぶ事が何度かありました。(この時は、スラスラ 話せるのですが・・・)。
心配で発達相談で相談すると、「子どもの成長の過程でよくあることだから 少し様子を見ましょう」と言われ、しばらく様子を見ていたのですが、ますますひどくなっていくように思われました。
そして、子どものための「ことばの教室」へ行ってみられたら?ということで、小学校にある「言葉の教室」へ一ヶ月に一回通うようになりました。そこで、先生に「リラックスさせてあげる事が 一番大切で、話し方を注意したり親も気にしたりすると、子どもさんも神経質になって余計にひどくなるので気にしないであげてくださいね。」と言われ、そのように気をつけていました。
小学校へ行くようになっても、どもりながら話すことは改善されなくて、友達に何か言われるのでは・・・と、親としてすごく心配でした。吃音による「いじめ」などはありませんでしたが、友達との遊びの中で、言いたい事がスムーズに言えなかったり、うまく伝わらなかったり、なかなか言葉が出てこないために最後まで話を聞いてもらえなかったりと、言葉によるストレスはかなりあったようです。
一時、「大きくなったらお店を出したいけど、僕はうまく話せないからお店は出せないなぁ・・・。」と淋しそうに話をしてくれた事がありました。それを聞いて、もっと言葉がスムーズに話せたら・・・何とかしてあげたいけど、どうしていいのかわからなく、ただ、子供に「吃音は悪い事じゃないから気にしなくていいよ。自分の話したいように話したらいいよ。」と言いながらも、親子で気にしてしまう、その繰り返しでした。
親として子どもに対して最善を尽くそうと思い、改善のための何か良いものがないかと探していた時、主人が江田先生のホームページをみつけて、この先生なら大丈夫!と思い「お願いしてみようか。」という事で、先生のレッスンを始めました。
最初はやはり詰まってしまいうまく読めなく、先生のアドバイスもなかなか理解できなかった様ですが、今はびっくりするくらいスラスラ読めるようになってきました。
学校の先生からも、友達との会話ではほとんど詰まる事は無く、授業でもどんどん手をあげて発表するようになり、かなり自信が持てるようになってきているようだと言っていただきました。以前は吃音を気にして、わざと発表しない時期もあったのに、今は全くそのような事はなくなりました。江田先生からのアドバイスも理解できるようになり、自分なりに気をつけているみたいです。
本人もうまく話せるようになってきた事が大きな自信になっているようで、「吃音やけど、僕は気にしない。」とまで言い切るようになりました。友達との会話も増えて授業中に「うるさいから静かにしなさい。」と先生に叱られる事もあるようです。(困った事ですが・・・。)
今も急いでいるときなど、言葉につまりうまく話せない時も少しありますが、うまく話せていることが以前に比べはるかに多いので、少しのつまずきは気にならなくなり、随分気持も楽になりました。
私達の選んだ改善の道は間違いではなかったと思っています。
※下のフッターの 「体験談」で、更に子どもさん(小学生)の吃音改善の体験談をお読みいただけます。