どもり克服 体験談(50歳以上)(P.4) 電話の重圧が軽くなった、克服の道がある、他
(吃音の克服 体験①)随分と改善してきていると思います。
Sさん(三重県在住 50歳 公務員 男性)
突然、特定の言葉が出なくなる!電話で課名が言えない!自己紹介でうまく名前が言えない!こんな悩みを抱えている方いませんか?
私は突然そんなことに襲われました。私は昔、どもりでした。でも、年月とともに気にならないようになっていたのですが、突然、自分の課名と名前がスムーズに言えなくなったのです。前からそのような兆候はあったのですが、特に意識するようになり、ますます悪化したのでした。
自分にとって言いにくい言葉ってありますよね。私にとっては「カ行、タ行」とかですが・・・。電話の向こうでは、「きっと笑っている!」「何回も相手から、もしもしが響いて返ってくる」「でも、言葉が出ない」。普通のことが、普通にできない、このもどかしさ。情けないやら、悲しいやら。周りの人達は、こんなことで悩むことはないのに!自分だけが、どうしてこんなに苦しまなくてはいけないのか。どんどん追い込まれてしまいました。仕事に集中できず、電話が怖い日々が続きました。
藁をもつかむ気持ちで、インターネットで探しました。精神的に限界に達していた時です。「さわやかカウンセリング」が、目にとまりました。体験談を読むうちに、自分と同じような方々が大勢いることが分かり、割り切れました。
そして、レッスンを受け、半年が過ぎようとしています。すぐに、自分の願うような結果は出ません。そんな簡単に治り克服できるなら苦労はしません。何度もカウンセリングを受けながら、何回も自分で試しながら、安定して言える感覚をつかみつつあります。
まだまだ、安定しているわけではありませんが、随分と改善してきていると思いますし、克服の道を歩んでいるように思います。
やはり最後は、自分でつかまなくてはなりません。私は日常、早口になりがちですので、伸ばしながらゆっくりと話すことがポイントかなと思っています。
このカウンセリングを通して、更に安定した発語感覚をつかんでいきたいです。これからも人前で話すことや、電話に出ることが多いため、どもり克服に向がっていきたいと思っています。
※江田よりのコメント:
Sさんは過去の吃音意識が再浮上してきたため、電話応対に支障が出てきました。日常の会話はよどみなく話されるのですが、ことばがひっかかる感覚は根強くあったようです。
詰まる感覚を否定せず、そのまま肯定的に受け止めながら、自分の内面の安定発語感覚をあくまで“育てていく”姿勢を持ち続けていくことが改善の道だと思います。
(吃音の克服 体験②)
電話での重圧は半減もしくは、ほとんどなくなったと思います。
Mさん(福島県在住 51歳 会社経営 男性)
私が言葉がひっかかるようなったのは、小学校の低学年の頃でした。近所に住んでいたどもりの人の真似をしたせいか、親が厳しく怖かったせいなのか、私がどうして吃音になったのかはわかりません。但し、当の本人は全く気にすることもなく、自分から進んで手を挙げ、劇などでは主役を好み、目立つことが好きな性格でした。
それは、中学、高校、そして大学に進んでも同様で、年齢とともに少し恥ずかしかり屋な面は出てきましたが、引っ込み思案なタイプではなく、サークルの発表会では司会進行を引き受ける程でした。実際、すらすらとそつなくこなし、臆することはありませんでした。
ただ日常の会話、電話とかで少しつっかることがある、そんな程度だったと思います。ですから、話すことの劣等感を持つこともなく、社会に出て、35歳頃までそのまま過ごしたと思います。
ところが40歳を過ぎて徐々にだと思いますが、どもる傾向が強くなってきました。次第に人前で発言することをためらうようになり、電話をする場合もおっくうになってきました。しかし、それでも結婚式のスピーチ、更には選挙の応援演説等も頼まれ、引き受けていました。
その後、今の会社の経営者となりましたが、環境のせいなのか、年齢のせいなのか、どもる意識が以前に増して強くなったような気がします。会社の経営者となって、より緊張する場面と人に遭遇することが多くなりました。それに伴い、自分自身、人前で話すことに大きな重圧を受けるようになってきました。会合で自ら手を挙げて発言するようなことは少なくなりました。
出来れば改善したい、克服したい、何か良い方法はないか・・・。インターネットであちこち探しました。
そんな時、さわやかカウンセリングのホームページに出会いました。電話だけのレッスンで大丈夫なんだろうかと思いましたが、その数ヵ月後、意を決して電話をし、レッスンが始まりました。
電話でのレッスンを受けて7ヶ月が経ちますが、今、私はこう考えています。
いろいろな自分がいる。ことばが詰まる自分はまぎれもない自分。しかし、レッスン中は全く普通に話せる、そんな自分もいる。ゆるやかに、のびやかに話す自分を育てていく。それを大きく育てていくことがどもりを解決していく。それを身体にしみこませて、習慣化していくことで、別の自分を確立していくことが出来る・・・。
最近変化は出てきています。電話とか日常の会話のなかで、早くてちょっとつまずくなと感じた場合、レッスン中の言葉のリズムが思い起こされ、軌道修正できるようになって来たような気がします。以前あった電話での重圧は半減もしくは、ほとんどなくなったと思います。更なる課題は人前で話すことです。先生のご指導のとおり、緊張する場面で話すことを自ら積極的に経験していかなくてはと思っています。
まだまだ克服の道半ばです。ゆるやかに、のびやかに話すことを習慣付け、新たな自分づくりを行っていきたい。今までもそうでしたが、これから仕事でもプライベートでも色々な話す場面に遭遇します。避けることはできません。決して臆することなく、逆に人前で話すことに喜びを感じられる、そんな自分を育てることが出来たらと思っています。
自分にもっと幅を持たせたい。何処まで出来るかわかりませんが、自分自身を高めていきたいと思っています。
※江田よりのコメント:
Mさんの話し方は申し分なくとてもきれいです。よもや話すことで不自由を感じていることなど、私を含めて誰も思えないでしょう。けれど、仕事の立場上、多くの人の前で話すことが多いMさんにとっては吃音意識は大きな問題です。自分の内にある詰まる感覚と向き合いながら話し方を高めていく必要が生じてきます。
会社経営者として人前で話す機会を活用してください。
(吃音の克服 体験③)
スムーズに店内放送できるようになりました。
Aさん(栃木県在住 58歳 会社員 男性)
私は58歳のサラリーマンです。どもることを意識しだしたのは、小学三年生の頃からです。ですから、約50年間、どもる意識がいつも頭の片隅にあり、これさえなければもっと違った人生が・・・と、よく思いました。原因は分かりませんが、5~6歳の頃、近所のどもる子のマネをよくしたことかとも、今になって思われます。
現在、日頃の会話等では、殆ど引っかかりませんが(無意識に言いやすい言葉に代えているので)ので、自己紹介などで言葉が出ないで間が空いたりすると、親しい友人等は、どうしたの?という顔をする程度です。そのくらい日常の生活では不便はないし、周囲の人も私の吃音に気がついていません。
ただ、私の苗字は「あおやま」(本当は違いますが、非常によく似た名前なので仮に「あおやま」とします)といい、母音で始まります。電話をかけるとき、自己紹介のとき、名刺交換のとき、歯医者等の受付で自分の名前「あおやま」の「あ」が出てこないときがあります。これさえなければ、引っかかる意識はもう少し軽かったかも知れないと思ったりもしました。
そんな私がこの「さわやかカウンセリング」を受講するようになったのは、今年の4月に勤務先の会社で大きな組織替えがあり、これからは最も苦手な「自己紹介」があるだろうことを私なりに感じたからです。これまで長い間、私の吃音を知らない人までにも知られてしまう、という強い恐怖心に駆られました。
そのような時、私の最も嫌いな言葉、「吃音」「どもり」をネットで検索しました。今から何十年か前、東京の大学に在籍の時、人目を避ける様にして池袋の吃音矯正所に何度か通いましたが、心が傷ついただけで改善されませんでした。ですから、インターネットで検索している時も、正直あまり当てにしていませんでしたが、あちこち見ていましたところ、この「さわやかカウンセリング」のホームページに目が留まりました。
その中で「安定した話し方の三要素 - 息継ぎ、伸ばす、つなげる」の動画があり、これを見て「これなら」と思い、費用も比較的安かったので受講することにしました。
受講2回目のとき、店長会議で自己紹介がありました。結果は駄目でした。その日は立ち上がれないほどの屈辱感を味わい、「やっぱり、だめか・・・」と思いました。次回の受講で江田先生にその事を告げると、「良い経験をしましたね」というようなお話をされたと記憶しています。私としてはその様な経験は二度としたくなかったのですが・・・。
レッスンを始めてから今まで15回のレッスンを受けています。おかげさまで、今ではお得意先に電話をかけるとき「○○商事、○○店のあ~おやまです。」と100%言えるようになりました。受けるときは今までは名前を言わずに「○○商事、○○店です」で済ませていましたが、「ありがとうございます。○○商事○○店のあおやまです」と言えるようになりました。近くに人がいる時は、たまに「ありがとう」を抜かしますが、今までのようにいちいち気にしないで自然にことばを繋げています。
また、私はスーパーマーケットに勤務していますので、毎日チラシの商品を店内放送しなければなりません。幸い、誰もいない時に録音するので、今までも比較的、楽でしたが、それでもチラシを見ながら発語不安のありそうな商品は読まなかったり、「青森産のふじりんご」のように私にとって苦手な「あ」で始まる「あおもり」を省いて読んでいました。それがカウンセリングの回を重ねるに従い、少しずつですが「伸ばし感覚」も身に付き出し、全ての商品をスムーズに店内放送できるようになりました。
この放送も録音ではなく、リアルタイムで出来るかとなると、今のところまだ不安がありますが、とにかくこのカウンセリングを通じて「私にあった正しい話法」を身につけつつあります。
58歳になって今更・・・と思った時もありますが、「吃音」「どもり」という言葉は、この半世紀近く私に付きまとった一番いやなことばです。ですから、レッスンをとおして是非ともこの厄介者とを私なりに克服?「おさらば」したいのが本音です。
※江田よりのコメント:
50年間の長きに渡ることばの詰まり感覚を無理に取り去ろうと思えば思うほどまとわりついてくるものです。吃音意識は自然な感情ですので、それはそのままOKとしつつ、より安定した発語感覚を育てていくことが大切だと思います。
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