電話応対のレッスン 体験談(40~49歳)(P.1)
電話応対の恐れからの解放、他
(電話応対の吃音(どもり)レッスン 体験談 ①)
話し方の意識が劇的に変わっています。(写真はイメージです)
Tさん(鳥取県在住 40歳 会社員 男性) 2018.7.10
物心ついた頃からの吃音との付き合いなので、かれこれ40年近くなります。喋ることイコール怖い事、と常に頭の片隅にあり、人前で話す事を避けておりました。
何がきっかけになったのかは思い出せないですが、異変に気付いた母親に言われ、よく本読みを練習していた記憶があります。足をバタバタするので椅子の上で練習したり、毎週一回、本読み会に出席し人前で話す訓練をしたりしました。
しかし、どれも「失敗することの恐れ」から長続きせず、学生時代は本読みの順番が回ってくる日を避けたり、友人にからかわれたりすることを冗談でごまかしたりと、それなりに生活をしていた様に思います。
寄りによってではありますが、営業職を選んだ後も吃音は続き、言葉を選び選び発音してみたり、苦手な言葉の前に「えーっと」をつけてみたりと試行錯誤しながら生活しておりましたが、やはり常に苦労することは「電話対応」でした。
にぎやかな場所、一人の時、は詰まりながらも何とかこなせるのですが、静かな事務所や少人数の時に受ける電話に対し、無言で対応してしまったり、会社の名前が言えず不審がられたりと、なるべく電話が鳴らない環境に逃げこんだりと生活しておりました。
そして、年齢も上がり役職もついてきて、吃音を本気で考えなければいけない出来事に遭遇しました。
大勢のお客様を前にした会場でのマイクを使った「言い換えの出来ない」司会進行です。
ある程度人前で話すことに違和感がなくなっていた時に大きい仕事を任され、ある程度こなせる自信があったのですが、結果は散々なものでした。結局、発声することが出来ず司会進行を途中で交代するという結果になり、全ての自信を失っておりました。
それからまた誤魔化しながら発音する生活を続けていたのですが、ある時インターネットでこちらの「さわやかカウンセリング」を目にし、電話を使ってのレッスンという気軽さもあり、軽い気持ちで受講を始めました。
私にとって何より衝撃だったのが江田先生が最初におっしゃられた「吃音は治すものではなく、改善するもの。話し方を学び、継続・習慣化していくことで話し方をコントロールする。」という言葉は私にとって目からうろこでした。
子供のころから「吃音を治そう」と考えていた私には「話し方をコントロールする」という意識は全くありませんでした。
毎回のレッスンで自分の癖を知り、話し方を調整し、日ごろの実践で良い話し方を体に覚え込ませていく事を繰り返し、まだレッスン3ヵ月ではありますが日頃の話し方に対する意識が劇的に変わって行く事に驚いております。
「吃音がなければどんなに楽しい人生か」と思い悩んだ事が多々ありましたが、「吃音も個性」と認識し、コントロールして上手に付き合っていければと今は思えるようになりました。きっかけに気付かせて頂いた江田先生にはとても感謝しております。
これからも、自分にとって最良の話し方を学び、個性を伸ばしていきたいと考えております。
※ ひ と こ と:
Tさんのように年齢が上がるとともに、立場上、司会をしたりすることが多くなるものです。日常の会話での安定感がないと、言葉が全く出ないという思わぬアクシデントに遭遇することがあります。
レッスンで調節感覚をつかんでいれば、すべてが良き実践の場となります。
(電話応対の吃音(どもり)レッスン 体験談 ②)
電話応対の恐怖から解放されています。
Uさん(福岡県在住 47歳 会社員 男性) 2018.2.2
幼少期の私はとても無口で人見知りな性格で、人前で喋ることは最も苦手としていました。たまに人前で喋るときも、つっかえてうまく喋れず、赤面してしまうほどです。
学生時代も目立たない地味な存在でしたが、なんとか人前で喋ることは避けて日々過ごせていました。
しかし社会人となるとそうも行きません。会社勤めをしていると、常に上司、先輩、後輩、そしてお客様など接して会話せざるを得ない状況です。
私が特に苦労したのが、「はい、〇〇でございます」と電話を受けるとき。
最初に勤めた会社がカタカナで長くて言いづらい社名だったので、電話に出るたびつかえてしまい、周りからも白い目で見られているような気がして、電話を取るのがすごい恐怖になってしまいました。
仕事を終わって自宅に帰宅してリラックスして過ごす中でも、電話応対の恐怖が頭をよぎってしまい、会社へ行くのも億劫になってしまったほどです。
滑舌が悪いのだなと思った私は、滑舌がよくなるトレーニングを独学で試してみたりしてみました。少しは良くなったのかな~って思ってもいざ職場に行くと緊張してしまいうまくいきませんでした。
それから転職をして、次の職場はほとんど電話が鳴らない職場で、電話応対の恐怖からは解放されていました。
しかし、事情があってまた転職した今の会社は、電話応対も多く、お客様と電話で日々接する仕事でした。(その仕事を選んだのは、給与が以前の職場よりかなり良かったからなのですが・・・)
今の職場では、「お電話ありがとうございます。〇〇の▲▲(名前)でございます」と電話に出るのですが、「お電話ありがとうございます」が言えなくて、「お電話・・・あ・・・とうございます」みたいに、「お電話」のあとがつっかえてしまうのです。
狭くて静かな職場なので、周りの先輩や同僚からも、私が電話に出るたびにバカにしたように笑われて、大変辛い思いをしました。
以前の電話応対の恐怖がまたここで再燃してしまったのです。
自宅に帰っても、ふと我に返ると電話応対の恐怖が頭をよぎり、会社へ行くのが本当に億劫になりました。
周りがみんな電話中のときや談笑中のときは、少しリラックスして電話を取れるのですが、周りがシーンとしているときに電話を取るのがとにかく苦痛で、また転職しようかなとまで考えました。
しかし、たとえ転職しても電話応対はつきまとうもの、これからも滑舌が悪くて言いたいことも言えない人生は嫌だ!
そう思った私は、話し方教室に通うことにしました。
その教室では、滑舌を良くするための呼吸法や、舌のトレーニングなどを徹底して行う内容で、それなりに効果はあったとは思ってますが、電話応対がすらすら行くというとこまではなかなか行きませんでした。
そんな中、「吃音、どもり」でネット検索をしていたら、「さわやかカウンセリング」のHPを見つけたのです。
「発語予期不安」なる言葉があり、まさに自分が陥っているのはこれだ!とまず思いました。
そっか、滑舌がどうこうという前に、自分は電話取るのが恐怖で、また失敗したらどうしようという不安があって、心が不安定になっているんだ。それを改善しないと滑舌改善もなにも無いなと思った私は、話し方教室を辞めてさわやかカウンセリングの体験レッスンを受講しました。
吃音経験があったという江田先生ですが、初めて話したときはとてもそんな過去があったとは思えない、名調子ともいうべき、ゆっくりとした安定感のある話し方で、話しててとても救われた気持ちになったことを覚えてます。
「吃音を治そうとする必要はない」というアドバイスは、今までの私の張りつめていた緊張を解くほぐしてくれるものでした。
江田先生と電話で話しているだけで、”あ~自分はこのままでもいいんだ。このままでも認めてもらえるんだ”ととても安心できました。
昨年(2017年)の9月から月2回のレッスンを受講しています。
レッスンでは、まずとにかく遅すぎると思うくらいゆっくりと話すということを学びました。録音した自分の話し方を聴くと、早口で聞きづらいな~と思いました。
自分ではゆっくりすぎると思っていた喋り方が、聞き手にとっては丁度良いスピードに聞こえてるのだな~と、びっくりしたのを覚えてます。
レッスンのたびに、不安に思っていること、言いにくい言葉があるという相談を江田先生にさせてもらってます。
その場合は語尾を伸ばして後にくっつけるように言うと言い易いですよ、などとても実践的なアドバイスをいただけて、実際職場で電話を取るときに試してみるたびに効果を感じることができました。
それでも、電話を取るとき、「お電話ありがとうございます」の部分がつかえてしまうときはありましたが、そんなときでも「そりゃそんなときもある、治す必要はないんだ、100点じゃなくてもいいんだ」と思って、リラックスしてゆっくり発音することを心掛けてやっていました。
受講して4ヶ月経ちますが、最近では、職場で電話を受けるときも、割とリラックスした気分で電話を取ることができて、以前のような電話応対の恐怖はかなり薄れました。
今でもときどき、つっかえてしまうこともありますが、そんなときもある、と良い意味で開き直ることができて、「電話が鳴ったらどうしよう・・・」とびくびくしていた日々からは解放されている毎日です。
会社へ行くのが怖くてしょうがなくて、自宅のくつろいだ時間でも電話の恐怖におびえていた過去から解放されたのが自分にとって本当に大きいです。
これからもまた発語不安が出てくる場面もあるかもしれませんが、その時はまたレッスンで気持の整理をしていけばいいと、安心できていることも大きいです。
※ ひ と こ と:
オフィスワークで電話応対、電話での業務連絡は切り離せません。しかし吃音(意識)を持つ人にとってはまさに鬼門となります。日常会話での調節感覚を育むことが電話応対の安定感に繋がっていくものです。
(電話応対の吃音(どもり)レッスン 体験談 ③)
相手のことを配慮しながら話しています。(写真はイメージです)
Fさん(大阪府在住 44歳 会社員 男性)
私は現在44歳であります。吃音の症状が出てきましたのは、19歳くらいからでしょうか。大学生の時でした。当時アルバイトで接客をやっていましたが、応対時に、たまに吃音が出ていました。よく芸能人が“噛(か)む”という表現を使っていますが、正にそれと同じ現象でありました。当時は今ほど気にしていなかった為、そのうちどうにかなると思っていました。それが42歳の悲劇につながるとは思ってもいませんでした。
大学を卒業し、中堅企業に就職し順調にいきました。時々噛(か)む事はありましたが、何とかやっていけました。しかし42歳の時、約20年間勤めた会社が倒産し、それと同時に吃音症状が一気に燃え上がりました。
2度目の会社での電話応対は、前の会社と違い、必ず前に「お電話ありがとうございます。○○会社営業課○○が受けたまわりました」と言うことになっていました。しかしこれが言えないのです。電話を避けようとする気持ちが強く働き、電話の音で恐怖反応がでてしまい、その影響かどうかわかりませんが、4か月で解雇になりました。
3社目では、早口が出て何を言ってるのかわからないと言われ、精神的に不安になり、心療内科に通院し始めました。会社は休職(結局8か月で退職)しながら、精神安定剤とSSRIと言う薬を飲み続けました。しかし、症状は改善されませんでした。
当時、私は予期不安が非常に強く、これを消したい為に薬に頼りました。また吃音に関する書物を読み、丹田(たんでん)式呼吸法とか森田療法とかを知り、自分なりに吃音と早口の改善の試行錯誤が続きました。この間会社も4社も変わり、面接時には精神安定剤を飲み、どもらないようにやってきました。
44歳になり日常会話でも吃音が出るようになり、安定剤無しでは会社に行けなくなりました。こんなにどもっているようでは駄目だと思い、「さわやかカウンセリング」のレッスンを受ける決意をしました。実は1年前にも「さわやかカウンセリング」を知っていましたが、その当時は、吃音に関する書籍を読めば大丈夫と思い受講を先延ばししていました。
レッスンを受けて、江田先生ご自身の吃音体験を聞き参考になりました。そして徐々に私の吃音症状がどういうものかが解り始めました。私の場合は発語予期不安があり、それを消すためにいろんな言葉を並べ立てて、吃音を隠そうとしていたことです。江田先生はすぐに私の心理と癖を見極められたので、驚きました。
以前より会話が良くなってきました。まだまだ、完全とはいえませんが人と話をする時や電話応対で私がいつも頭に入れていることは、相手の立場に立って話すということです。早口でなく相手が聞きやすい話し方を心がけ、相手のことを配慮しながら、気持ちよく話ができることを心に描いています。
※江田よりのコメント:
何でもいいからただ言葉を出すという意識から、相手の立場に立って聞きやすい話し方を心がける、という意識に変わっているFさんです。この意識の変容は、「どうしたらどもらないか」から「どういう言い方が相手に聞きやすい安定した言い方か」の意識の変容につながっています。
(電話応対の吃音(どもり)レッスン 体験談 ④)
これからは自信を持って話していけそうです。(写真はイメージです)
Uさん(静岡県在住 49歳 自営業 主婦)
私は子供の頃から何となく話しにくい言葉があることに気がついていました。そのため性格的にも、内気、引っ込み思案で、消極的な子供でした。
授業中の本読みや、発表する時はとても緊張していました。「どうか、言いやすい文章でありますように・・・」といつも心の中で祈っていました。話し方を人から指摘されることはありませんでしたが、自分の中では劣等感を抱えた毎日だったような気がします。
就職して職場で電話応対をする時、まわりに人がいるところでは言いにくい言葉が言えなくて、困ったことがありました。
また、こちらから電話をかけようとして、言葉が言えなくて、自分から切ってしまったことも何回もあります。
話し方の調子にも波があって、調子がいい時とそうでない時があることを感じたのもこの頃です。
他の人達は吃音の悩みを抱えなくてすんでいるのに、どうして自分ばかりがこんなに苦労するのか、何でこんなこともできないのかとひどく劣等感を抱え悩みました。吃音に悩まされないのなら、人生はどんなに素敵になることだろうかとも思いました。
さて、今年の春から地域の役員の長になってしまい、人前でお話しする機会が増えることになったので困っていました。そんな時、「さわやかカウンセリング」のHPを見つけました。 お試しのレッスンがあるのなら、体験してみたいと思って申し込みました。
先生自身が吃音に悩まされてきたそうで、経験者ゆえのアドバイスをたくさんいただけて、私のこともわかってもらえるような気がして嬉しかったです。レッスンでは息継ぎとか、呼吸法、ゆったりとした話し方など、いろいろなことを教えていただき、日々の生活に採り入れています。
今までは吃音を治すという捉え方をしていたのですが、詰まる感覚は身体が身につけてしまった習慣なので、そのことを受け入れて、言いやすい話し方感覚を身につけることが大切だとわかりました。
また、言い換えをすることが多かったのですが、それは言いにくいことばを避けて迂回しているにすぎないと先生から指摘され、ことばの迂回を少なくするように心がけています。
レッスンを受けるたびに得ることが多く、仕事での電話応対、地域の行事で話すことなど、多くの場数を踏んでいきたいと思っています。
※ ひ と こ と:
Uさんは会話での詰まりは全くなく、とてもきれいに話されますが、ご自分の内面では過去の吃音経験を引きずっていて、電話応対など、話すことは下手と自分で烙印を押していました。
今回、地域の委員長に選ばれ、行事のあるごとに挨拶、進行など任されていることは、話すことの自信をつける絶好のチャンスです。
(電話応対の吃音(どもり)レッスン 体験談 ⑤)
今では電話での不安が軽くなっています。
Tさん(東京都在住 47歳 会社員 男性)
私は職場での電話応対が苦手です。以前からどもる不安があり、特に最近、電話をかける時に自分の名前がなかなか出てこなくて大変恥ずかしい思いをし、トライアルレッスンを申し込みました。
半年が経ち、お蔭様で今では電話応対でのどもる不安が軽くなっています。今までの悩み、焦りが過去のものとなっていることがわかります。
私がレッスンで学んだことには、技術的なことと精神的なことの二つがあります。
技術的なことに関しては、とにかくゆっくり話すこと、特に出だしを伸ばし気味にすることです。今まで私は吃音をなくすため、早口言葉などを使い早くしゃべる練習などをしていましたから、まったく逆のことをしていたわけです。むしろ、普段からゆっくり話す習慣が大事だということが分かり、目からうろこの思いでした。
また、精神的なことに関してレッスンで自信を与えられています。完璧主義は捨てること、少し緊張する場面で場数を踏んでみてください、とのアドバイスをいただき、実践するようにしています。今は電話をかける回数を少しずつ多くしていくよう努めています。
私の吃音は精神的なものが大きいことが分かっています。たぶん、自分の性格は直らないものかと思いますが、レッスンを通して、吃音意識を緩和していくことはできるような気がしています。成功体験が大事なのかなあと思います。
多少の失敗を失敗と思わず、電話でも何でも場数を踏んでいくことで、大失敗をしなくなっていくものかなと思います。スポーツと同じで、負荷を少しずつ高めていくことが、緊張感の克服にも必要なのだと思います。
レッスンは、楽しみながら学べるものとなっています。レッスンで使われる教材「こころのおしゃれの三か条」はとてもよいお話で、自分にはぴったりだと思いました。また、よい話し方の例として、タレントさんを引用されることもあり、飽きさせない工夫をされているのに感心します。
※ ひ と こ と :
話し方の改善のためには、技術的なことと精神的なサポートの両方がともに必要だと思います。実際に私が辿ってきた道をお分かちして、改善の方向性を実感していただけることは大きな喜びです。
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