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吃音治療の試み 体験談(40~49歳)(P.4) 様々な治療法を試みた末に、他


 このページでは、吃音治療のために数々の試みをされた方々の体験が記されています。一般に吃音治療の方法としては下記のような手段が挙げられます。

言語聴覚士による診断・治療
脳疾患、その他、体の外傷に起因する吃音(獲得性吃音)の治療に適しています。発語神経を修復する話すためのリハビリ的な治療です。(「さわやかカウンセリング」では獲得性吃音の治療レッスンはしておりません。)

心療内科・精神科・神経内科での治療
過度なストレスにより吃音がひどくなっている場合、緊張をほぐすための精神安定剤などの服用の処置を行います。吃音の治療というより、緊張・不安の緩和対策です。

民間の吃音矯正所での治療
吃音矯正所で行われている対症治療法では、腹式呼吸をはじめ、発声練習をしています。

「さわやかカウンセリング」では脳疾患や体の外傷によって生じた吃音(獲得性吃音)の治療は別として、“吃音は治療するものではなく、あくまで良い発語感覚を育てて改善していくもの“という捉え方をしています。

「吃音治療の数々の試みを経て、このHPにたどり着きました。」
Yさん(兵庫県在住 48歳 会社員(薬剤師)男性)
「吃音の治療法をいろいろ探して見出したこと。」
Hさん(神奈川県在住 46歳 会社員 男性)
「すべての人に即効性のある治療など存在しないと思います。」
Fさん(神奈川県在住 46歳 自営業 男性)



(吃音治療の試み レッスン体験 ①)

 吃音治療の数々の試みを経て、このHPにたどり着きました。

Yさん(兵庫県在住 48歳 会社員(薬剤師)男性)

私は小さい頃から言葉がつまることがよくありました。しかし年齢とともにいつの間にか治り、ここ数十年は全く気にしないで日常生活を過ごしていました。

ところが、ストレスの多い職場に変わり、2,3年経つころから言葉がつまり始めました。薬剤師という職業柄、病院などとの電話での連絡が多く、言葉のつまりは業務に影響してストレスを抱える毎日でした。それで何とか自分で改善しようと試みました。

私が実際にやってみた治療対策は次の三つです。
①耳鼻咽喉科での治療。
病院で鼻からカメラも入れて検査しましたが、診断上、器官的には異常なしと医師から言われ、吃音治療の方法はないと言い渡されました。

②あがり症などの本、どもり治療のDVDで勉強し、自分で治療を試みる。
次にインターネットで、1500円の本や25000円もするDVDセットまで、全部で十種類ほど購入し試みてみましたが、成果といえば腹式呼吸が少々役に立つ程度の理解でした。
けれどそれも、いざ仕事での電話応対となるといつもの胸での浅い呼吸に戻ってしまいました。
それで約一年が経っても仕事で活かせるような状態ではありませんでした。

③ボイストレーニングでの治療。
5名以上のボイストレーナー、話し方の先生にマンツーマンでついてもらい、2年間ほどレッスンに通いました。おかげで少しは声のトーンも変わり、自分で頑張っていた②の時よりも少しましにはなりましたが、焦ったりすると全くの元の木阿弥状態になってしまいました。
「練習ではできているのに、実践ではできないのはどうしてでしょうか?」と先生に相談しましたが、明確な対処法を教えてくれる先生はいませんでした。吃音経験を持っていない先生方とは、話が空回りしてしまうように思いました。

①②③を経て、このさわやかカウンセリングのホームページにたどりついたのが昨年の7月のことでした。吃音を克服した先生なら、実践で使える対処法を教えてくれるのではないかとの一縷(いちる)の望みでトライアルレッスンを受け、現在に至っています。

レッスンを受けてからの私の変化ですが、話す時にリズムをとれるようになり、早口が抑えられて自分の中での安定感が増しています。
結果的に言葉がつまることが少なくなり、仕事面で困ることはなくなっています。嬉しい限りです。

先生はレッスン中時々「話していて楽ですか?」と聞かれます。話すことの気持ち良さを感じとれるようになり、とても嬉しいです。

今後もこの気持ちを大事にしていきたいと思います。

※ ひ と こ と :
Yさんの話し方の改善は、長年身についた癖(くせ)を客観視できることにありました。発語不安からくる早口、間(ポーズ)を入れられない、肩が上がるような胸呼吸・・・。これらのものは一朝一夕には直りませんが、レッスンで得たことをコツコツ実践して中で、安定感を実感しておられることは嬉しい限りです。



(吃音治療の試み レッスン体験 ②)
    

 吃音の治療法をいろいろ探して見出したこと。

Hさん(神奈川県在住 46歳 会社員 男性)

ネットで、吃音を治療してくれるところを探すと色々な施設があります。

 ・ボイストレーニングで練習して治療する施設
 ・手術で治療する病院
 ・薬で治療する病院
 ・カウンセリングで治療する施設
 ・吃音教材を購入して、自分で治療を試みる。
  など様々です。

その中で私が「さわやかカウンセリング」を選んだ決め手は、施設まで出かけなくても電話やスカイプでカウンセリングを受けることができるということでした。

実際に施設に行ってレッスンを受けた方がいいのかもしれませんが、時間のない私には通うことは無理です。今、思うのですが、自宅で夜遅くでもレッスンを受けることができ、とてもよかったと思っています。

また、「カウンセリング」という言葉にも惹(ひ)かれました。私は以前、鬱(うつ)病を患ったことがあり、今回も社会不安障害という診断をされていて、最近は職場のストレスで、電話に出ると赤面してしまい舞い上がり、一言も話せず、とても苦しんでいました。しばらく病院で処方された薬を飲んで治療していましたが、詰まる感覚は治りませんでした。

それで病院の先生に相談すると「誰かに相手になってもらって話す訓練をすればどうか」と言われました。しかし、自分の話し方の練習に付き合ってくれる人はいません。というより恥ずかしくて妻や友人にも相談できませんでした。

それで仕方なくいろいろインターネットで探したわけです。そこで見つけたのが、「さわやかカウンセリング」でした。

電話でのレッスンが自分に合っているのかどうか不安でしたが、自分に合わなければ、お試しレッスンだけ受けて辞めればいいと思い、受講を申し込みました。

お試しレッスンの2回目が終わると、「継続してレッスンを受けますか、それとも終了としますか」ということを聞かれ、何となく自分が求めていたものだと思ったので継続してレッスンを受けることにしました。

発語感覚やどもる言葉は人それぞれですので、マンツーマンのレッスンはとても良いと思いました。

江田先生は私の話し方を集中して聞いてくださって、気になった点を指摘して、話しやすい発語方法を考えてくださいました。さらに私のことばの詰まりは心理面からきていることが強いと指摘してくださり、心の持ちようで話すことが楽になるので、平常心での発語感覚を身につけるようにと指導してくださいました。

このように安定した発語感覚や私の話すスピードや息継ぎのタイミングなどを具体的にわかりやすくご指導いただき、平常心の発語感覚を理解できたことは、職場で大変役に立っています。

以前、職場ではいつも舞い上がってしまい詰まっていたのですが、レッスンでの発語感覚を念仏のようにとなえると、不思議なことにどもらなくなる場面が増えてきました。今では大の苦手だった電話にも出られるようになり、仕事に専念できるようになりました。(電話が鳴ると相変わらずドキドキはしますが。)

お試しレッスンを受けるまでは不安でしたが、今ではこのように私に合った指導を受けられ、とてもラッキーに思います。悩んでいても現状は変わりません。行動をとってよかったです。

※ ひ と こ と :
発語感覚は個人の内面の感覚ですので、レッスンもオーダーメード。これからもHさんの実情に適(かな)うレッスン展開を心がけていきたいと思います。



(吃音治療の試み レッスン体験 ③)

 すべての人に即効性のある治療など存在しないと思います。

Fさん(神奈川県在住 46歳 自営業 男性)

私は現在46歳になる男性です。現在7回のレッスンを体験しました。月に3~4回のレッスンは、悪い習慣へ傾きがちな日常生活において、良い矯正効果を持っていると思います。

私が言葉が詰まりだしたのは、通常の方(?)と比較して遅い、18~20歳くらいからです。実際には小学生の頃、アニメのどもりの登場人物の物まねをした記憶があるのですが、当時は朗読や人前の発表に対して吃音を何ら意識したことがありませんでした。
吃音を意識したのは成人になってからと考えて良いと思います。そういう意味では、最初の挫折は就職活動においてでした。

どもることがあることを正直に言うと、あたかも欠陥人間であるかような対応をされてショックを受けた記憶があります。就職できた会社は、その意味では大変おおらかな会社でしたが、実際に仕事をしてみるとそうは上手くいきません。警備会社だったこともあり、電話等の対応を厳しく言われ、自分が言葉が詰まることを強く意識させられました。

それから吃音を治療してくれるとことはないかと幾つかの吃音矯正所を回り、一時良くなったこともありましたが、良くなったときでも、「どもったらどうしよう」いう意識がぬけず、結局吃音症状は悪化していきました。その間催眠療法を含めて、吃音治療をうたう4箇所の矯正治療所を回りましたが、中にはインチキといっても良いような所もあり、高い授業料を取られて悔しい思いもいたしました。

今、吃音に苦しんでいる方は多いと思いますが、治療代、あるいは器具代と称して高額な料金を徴収するところはやめた方がよいと思います。人間苦しい時は心が弱っています。そういう人間に高額な料金を請求する人は詐欺師といっても間違いではないでしょう。また上手いキャッチフレーズで宣伝している教材販売もやめた方がよいです。あくまでも私の経験ですが、全ての人に即効性のある治療など存在しないのですから。

結局、私は28歳の時会社を辞めました。それは逃避でした。取りあえずすることもないので、ある国家資格試験を受験し、5年目に合格しました。そして結婚もしました。周りの方の助けもあり、人生はうまく回り始めましたが、詰まる症状は改善した訳ではありません。電話でいたずら電話と間違えられたりして、情けない思いもし、妻に当たったりもしました。

その時、妻がインターネットであるカウンセリングを探してくれました。そこは自分の心を高めることによって吃音を治癒しようという所でした。結果としてそれが良かったのだと思います。そこには1年半ほどしか在籍できず、症状が完治した訳ではないのですが、吃音であることを恨む気持ちが薄らぎました。

今、レッスンを受けていますが、とても良い体験ができていると思います。実際の生活ではレッスンの時みたいにうまくいくという訳ではありませんが、レッスンで良い感触を体験し、それが言語習慣の面でも精神の面でも良いイメージを得ることができていると思います。

※江田よりのコメント:
Tさんの言われる「全ての人に即効性のある吃音治療など存在しない」ということは、4箇所の矯正所に通った実経験から言えることだと思います。
自分にとって安定した話し方感覚を経験を重ねて“育てていく”ということを心に留めていきたいものです。



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