ホーム  体験談 > 結婚式のスピーチ

スピーチで詰まる・どもることの改善―体験談(26歳~29歳)(P.4) 結婚式の司会、他


 人前でのスピーチ、プレゼン、司会は誰でも緊張するものです。吃音意識がありますと尚更です。
良い備えをして、ベストな状態でスピーチ、プレゼン、司会に備えていくことをお勧めします。
■スピーチ・プレゼンの原稿を準備しましょう
会社の朝礼での連絡などは、メモで充分です。けれどスピーチ、司会では話のメモではなく、すべてを文章化することをお勧めします。プレゼンで資料がスクリーンに映し出される場合は、説明の大切なところのみ文章化して正確に話す準備をしたいものです。
文章化することのメリット:
  • 同じことを繰り返したり、文の末尾などが曖昧な表現になることを避けられます。
  • 予め言いにくいことばをどのように言うかの準備ができます。
  • 話すことばが正確になり、無駄がなくなります。
原稿を読み上げるのではなく、語りかけるイメージで話すことが大切です。練習と経験が必要です。
■スピーチ・プレゼンで話す時の姿勢・視線
  • 正しい姿勢で話しましょう。美しい姿勢は会衆に好感を与えます。
  • 視線は時折、会場全体を見渡すように。
  • 直立不動ではなく、自然な体の動きをつけて。手を効果的に動かします。
カウンセリング&レッスンでは、スピーチ、プレゼン、司会の演習もいたしますので、実際の場で活かしていただきたいです。


「結婚式のスピーチでは、大変満足のいく結果でした。」
Nさん(東京都在住 27歳 会社員 男性)
「結婚式の司会(スピーチ)を引き受けて良かったと思いました。」
Yさん(山口県在住 26歳 会社員 男性)
「スピーチで確実にコントロールしていけることを目指しています。」
Aさん(大阪府在住 28歳 会社員 男性)


(スピーチ、プレゼン 体験①)

 結婚式のスピーチでは、大変満足のいく結果でした。

Nさん(東京都在住 27歳 会社員 男性)

電話カウンセリングを始めて早5ヶ月が経とうとしています。前々から日常生活でどもったり、詰まったり、言いたいことが言えなかったりすることが多く、必然と人前で話したり、電話をするのがとても苦手でした。

就職活動もなんとか切り抜け、無事に社会人にはなりましたが、次に待っていたのは自己紹介や朝礼、電話対応といった社会人では出来て当たり前と言われるようなことです。

どもってうまく言えたり言えなかったり、そんな不安定な日々の中、電話で出だしの社名や自分の名前が詰まって出てこないが事が続きました。

また、今年の11月に結婚式を控えていたこともあり、大勢の前でスピーチをしなければならない来るべき日に備え、日々プレッシャーを感じる日々でした。

このままでいけない、どうにかしなければと言う気持ちでいた時に、さわやかカウンセリングを知りました。

レッスンでは呼吸の方法、安定した話し方、電話対応のシュミレーション、スピーチの練習などを行っていきました。特にどもることを否定するのではなく、受け入れることという考え方は、完璧に話そう話そうとしていた私の考え方を覆(くつがえ)しました。

結婚式のスピーチでは、先生からのアドバイスを受け原稿をしっかりつくる習慣とレッスンの成果を実践し、自分では大変満足のいく結果になりました。

また、先日の会社の朝礼では、社長直々に「あなた、話すのが上手だね」とのお褒めの言葉を頂きました。このような出来事は、今後のプラスになるとても自信のついた経験でした。

職場での電話対応についてはまだ苦手意識はあります。しかし、レッスンでの対話表現朗読やシュミレーションを重ねて、前向きに実践をしていこうと思います。

※江田よりのコメント:
レッスンをさせていただいて一番嬉しいのは、受講生から現場の報告をいただくときです。Nさんの結婚式での挨拶、そして会社でのスピーチで社長さんから「あなた、話すのが上手だね」とお褒めのことばをいただいたことは嬉しい評価です。



(スピーチ、プレゼン 体験②)

 結婚式の司会(スピーチ)を引き受けて良かったと思いました。

Yさん(山口県在住 26歳 会社員 男性)

私が吃音を意識したのは、小学校の高学年の頃でした。その時は吃音という言葉は知りませんでしたが、「なぜ自分だけ言葉につまるのだろう?」と子供ながらに感じていた記憶があります。

小学校・中学校・高校・大学では発表や電話などの場面で吃音に怯(おび)えながらも、なんとかやり過ごして社会人になりました。会社では研究部門でしたので上手く話す事を第一には求められることはなく、このまま騙し騙し一生やっていくのかなと思っていました。

そんなある日、思いもよらぬ転機が訪れました。友人カップルが結婚式の司会・スピーチをやってほしいというのです。

友人ですので私が吃音を持っていることも知っています。それでも、「たとえ吃(ども)ってもいいから是非スピーチをやってほしい」という熱意に押され引き受けてしまいました。

引き受けたのはいいものの、どもることが気になって不安でいっぱいです。折角やるのだから少しでもスムーズにやりたいと思い、色々インターネットで探している内に「さわやかカウンセリング」と出会いました。スカイプで手軽に始められるところに惹かれレッスンを開始しました。

結婚式の司会まであと2か月間と差し迫っていましたので、レッスンではもっぱら司会(スピーチ)の練習に重点を置いて指導して頂きました。多くのことを指導して頂きましたが、その中でも特に「ことばを繋(つな)げる感覚」が大変参考になりました。自己流で読むと、レッスンであっても何度も詰まってしまう文章も、この繋げる感覚を意識することにより流れるように読むことが出来ました。この感覚は職場での発表や電話応対にも少しずつですが、活かすことが出来ています。

さて、結婚式本番ですが、大舞台ということもあり非常に緊張しました。レッスンの練習のとおりという訳にはいきませんでしたが、繋げる感覚を意識することにより、ことばが止まってしまうということはなく、何とか無事に最後までやり遂げることが出来ました。新郎新婦ご両家の方々からも感謝して頂き、私自身、本当に嬉しく思いました。

若いうちにこのような経験を出来たことは私の人生にとって大きなプラスになったと感じています。不安だらけでしたが、勇気を振り絞って司会を引き受けて良かったと思いました。

今後は、普段の会社生活でことばを繋げる感覚を意識し、安定した楽な話し方を更に自分のものとしていきたいと思います。また今度同じように司会をする機会があったときは、今回より余裕をもって出来るようになりたいと考えています。

※ ひ と こ と :
Yさんのお話しを伺うと、友人から頼まれたのは正確に言うと司会ではなく司式です。会衆を結婚の証人とする“人前(じんぜん)結婚式”を執り行う役でしたので、キリスト教式の結婚式での牧師の役割にあたります。そして続く披露宴の司会もなさいました。本当に大役でした。ご苦労さまでした



(スピーチ、プレゼン 体験③)

 スピーチで確実にコントロールしていけることを目指しています。

Aさん(大阪府在住 28歳 会社員 男性)

  

「『飲めば一瞬で吃音が治る薬』・・・もし一億円で売っていたら借金をしてでもそれを買おう。残りの人生は返済に追われる一生だけれども、どもらず、また言わなければならない時にきちんと正確に言いたい言葉を言える・・・なんて素晴らしい人生なんだろう!自分には秘められた可能性がある!吃音によって閉ざされてきた人生とは訣別だ。これからは何でもできそうな気がする!一億円なんてどうにでもなる!・・・と、俺と同じように考える人は日本中、いや世界中に何人いるんだろう‥よくサイトなどで吃音者は全体の1%と聞く。俺は変わり者なのか?‥でも考え方を世界規模に考えると吃音者は6千万人!気楽に行こう!」

昔からこんな事ばかりを考えて自分としては前向きに生きてきました。私は現在28歳ですが、初めて話し方に違和感を感じたのが小学校二年生の時の国語の本読みです。題名は忘れもしません。『ガマガエル君』です。話す時に違和感を感じている方なら分かると思いますが、なんと言いにくい題名!しかも文中にはひたすらガマガエル君を連呼すると言った内容でした。私は名前が『あ』から始まるので出席番号が一番なため、当時本読みもいつも一番始めでした。

初めは「どもる」という感覚ではなく、ただ単に「つまる」に近い感覚でした。まだ当時は自分はどもりなんだという事を自覚していなかったと思います。クラス中が私の本読みで大爆笑に包まれ、その後の休み時間などもつまる真似をされて非常にイヤな気持ちになったのを覚えています。

その数日後、親に相談をして寝る前に母親と「あいうえお」の練習を毎日しました。すると日を追う毎に本読みもかまなくなり、からかわれる事も少なくなっていました。しかしその頃から特定の言葉に異常に言いにくさを覚え、「どもる」という感覚が体に染み付き、それを自覚するようになっていました。周囲からはもっと落ち着いて喋ったらいいねんなどと簡単に言われるのですが、落ち着いているからといってどもらずに喋れる訳ではないという事を、幼いながらになんとなく分かっていた気がします。

その感覚を引きずったまま中学、高校と進学し、本読みなどで言いにくい言葉が先頭にある場合は、恥をかくことを恐れ自己防衛機能が働き、反射的に寝たふりなどをして読む事を回避していました。先生に怒られ、後ろに立たされるなど、他の方々の体験談と同じ経験もしてきました。

高校卒業後に自衛隊に入隊しました。初めの3ヶ月間は三重県に配属され基本的な事を学び、残りの3ヶ月を希望地でもある地元大坂での訓練という事になりました。私の中で人生最大の辛い思いをしたのがその大坂での3ヶ月でした。  

三重県から大坂に移ったその夜の事です。新しい周囲の環境、人や場所が変わった事による精神的な事によったのだと思うのですが、自己紹介の時に全く声が出ず全身から汗が噴き出した事を鮮明に覚えています。もうそれがあってから私が喋らなければならない報告や号令などの場面では一切声が出ず、ひたすら無言で立っているだけの日々が続きました。

時が経つにつれしばらく無言で立つという事が「慣れ」に変わり、いつの間にか違和感はあるものの、また喋れるようになっていました。

月日は流れました。自衛隊にも昇進試験たるものがあり、中には号令をかけたり面接まであるというのです!しかもそれに合格してしまうと京都の方へまた半年間ほど新たな環境のなかで訓練を受ける事になります。私の場合体力的には問題は無かったのですが、また自己紹介や朝礼での挨拶(スピーチ)などがあると思うだけで気持ちが落ち込み、絶望的な不安に襲われました。それがきっかけでとうとう自衛隊を辞めてしまいました。

その後は地元のバイク販売店に就職しましたが、そこでも電話応対を始めお客さんと話す機会が非常に多く、自衛隊での出来事を引きずったままなので何度も恥をかきました。いよいよこれは先行きマズいと思い、吃音を治そう、どもらないように話そうと、自分なりに真剣に考えました。

どもったり声が出ない場面におちいった時の状況を紙に書き上げ、その時の自分の心理状態などをリスト化しました。心理学の本も読みました。堂々と話す。上手く話せている自分をイメージする。話す時は相手を意識しない。自分は上手く喋れるんだと暗示をかける。心の中でタイミングを見計らい一気に声を出す。足でリズムを取る。など、これまでありとあらゆる方法を試しました。声が出ますように!と西国33箇所巡りも行きました。しかし良い結果を出すことはありませんでした。

今まで自分は何て生真面目で前向きな人間なんだと思っていたのですが、さすがにもうダメだなとあきらめました。その時ちょうどテレビCMで、声が出なくなる時があるのは脳卒中などの病気のサインかも知れません、などと放送されているのを見て、「俺、病気やったんか?」と思い慌ててパソコンで調べました。「どもる」や「声が出ない」という感じで検索をしていると初めて「吃音」という言葉を知り、いろいろ調べていくうちに「脳卒中ではなく俺は吃音なんや!」という事を知りました。更にいろいろ調べてみると医者や薬などではとうてい治せないということも知りました。

そんな時、「さわやかカウンセリング」のホームページを知り、レッスンを始めました。

今まで心理学の本を読んだりしていい線はついていたのですが、実際にレッスンを受けてみると、今までの自分の考え方が根本的に間違っていたという事に気づかされました。

どもりを治す、どもらないように上手く話そうとする、という捉(とら)え方ではなく、話し方を内面から安定させそれを定着させていくという事。それは吃音でありながらも、いろいろな話す場面で安定した話し方へとコントロールしてもっていくということは、今までの私には到底思いつかない逆の考え方です。

単純で簡単やん!と思いがちですが、断言します。それらをただ単に言葉で理解してそれを取り込もうとしても無理です!実際にレッスンで少しずつその感覚を自分の中に取り込み、体に覚えさせていかないと意味がありません。個人差はありますが時間はかかると思います。私自身の体験を述べているので宣伝しているわけではありません。カウンセリングを受けているという経験が、まず自分は一歩を踏み出したんだという自信になります。そこから作り上げられる心の安定感で少しずつですが回を重ねる事で気持ちをコントロールできるようになっていきます!

吃音者の方は責任感が強くプライドが高く前向きで完璧主義な方が多いと思います。私もです。人にどもっているところを聞かれたくない、良いように見られたいと思うがために声が出なくなったりしているはずです。秘めた可能性をしまっておくのはもったいないです。

自分の可能性を信じてゆっくりですが、スピーチなど、どんな場面でも確実に吃音をコントロールできるようにしていこうと思っています。  

※江田よりのコメント:
Aさんは私との会話やレッスンでは全く吃音を出さず、とても自然な話し方をなさいます。ですから体験談を読ませていただき、今までこんなご苦労をしてこられたのかと改めて驚きました。しかしこれはAさんに限らず、吃音があるがために精神的に苦しい道を通ってきたという人は多いです。
どうしたらどもらないかということに意識を向け続ける限り話し方の改善は遠のき、対処法を求めて諸国漫遊の旅に出ることになります。



※下のフッターから更に多くの体験談を年齢別にお読みいただけます。