電話・スカイプでのスピーチレッスン
吃音(どもり)は、言葉の引っかかり、ちょっとした言いづらさを日常繰り返しているために、詰まる感覚を脳が学習してしまった、あるいは、幼少の時など、過去に言葉が詰まっていて、その感覚をそのまま引きずっていることなどがその背景にあると思います。
吃音とは何なのか、その症状と原因について、精神的な不安、また改善をどのようにもっていけるのか、また電話、オンラインレッスンについてご説明いたします。
INDEX | |
■ | 吃音の特徴 |
発語予期不安について。 | |
吃音と「滑舌が悪い」とは別です。 | |
緊張するからどもるという訳ではありません。 | |
ひとりだけでも吃音が出ることがあります。 | |
■ | 原因(幼児期・小学生の場合) |
■ | 改善の理解のために |
改善への方向性が必要です。 | |
■ | オンラインレッスンは、このような方におすすめです。 |
■ | ご 挨拶 |
吃音(きつおん)の特徴 |
発語予期不安があります。 |
吃音意識がありますと、言いにくいことばを言う前から察知します。これが吃音にともなう発語予期不安です。
心の動きは妙なもので、予め「言えそうだ」と思うと、言えることが多く、反対に「これは言えない」と思うと、案の定、難しくなります。話す前から「言える」「言えない」の暗示を自分でかけているようなものです。
吃音と「滑舌が悪い」とは別です。 |
話し方が不明瞭であったり、早口で舌が絡まる話し方を「滑舌が悪い」という表現を使いますが、これは吃音とは区別されます。「滑舌が悪い」とは単にことばが引っかかる、絡まる、言いづらいことであって、心の領域にまで及んでいないものです。
吃音の特徴としては・・・
● | 母音(あいうえお)あるいは「か行」の発音など、本人にとって吃音の出やすい不得手な音がある。 |
● | 言う前から“言える言葉”“言えない言葉”の区別がある。吃音にともなう発語予期不安がある。 |
● | 出だしの音がなかなかでない(難発)、音を繰り返したり(連発)あるいは音を不自然に伸ばすようにして話す(伸発)。 |
● | ことばが出にくくなると足を床にトンと踏む、手を振るなど、瞬間的に体の一部を動かしたり、力みを入れたりする。(随伴行動) |
● | 話している途中で小刻みに息を吸い込んで、不自然な息継ぎをしている。(息継ぎの乱れ) |
● | 発音しにくいことばがあると、別の言いやすいことばに換えて言う。(言い換え) |
緊張するからどもるという訳ではありません。 |
緊張するからどもる、緊張感を弱めれば吃音が出ないと思う方がおられますが、緊張していなくても吃音が出るものです。日常、吃音の多い不自然な話し方をしていますと、その発語感覚が定着してしまいます。家族などとの打ち解けた場でも吃音が出ます。
職場などでの強いストレス、緊張感を緩和するために、催眠療法や心療内科などでの処方を必要な期間受けることは、ある程度の効果があるかと思います。しかし根本的な改善には繋がりにくく、実際に安定した発語感覚を意識化して育てていくことが必要です。
ひとりだけの朗読でも吃音が出ることがあります。 |
吃音を繰り返していると、言う前に言い難いことば(音)が意識されます。心の中に絶えず自分の話し方をチェックする“試験官”がいるようなものです。“試験官”の立てたハードルをいかに飛び越えていくかの心の内面の葛藤です。
このチェック意識が深まると、日常会話で発語を一語一語チェックするようになり、自然な発語の流れが寸断され、歪められた発語感覚が深まっていきます。
更に、他人のいない自分ひとりだけでの朗読でもどもる場合もあります。これは日常繰り返される吃音の発語感覚と、発語をチェックする意識の両方が作動して、発語を止めてしまう状態と言えます。
原因(幼児期・小学生の場合) |
吃音の原因を特定しようとするのは難しいです。ただ“引き金”“要因となるものはあるかと思います。幼児期の子どもの吃音のきっかけになり得るいくつかの要因を挙げますと・・・
■ 驚いた時などにうまく言葉が出せなかったことが記憶に残り、話すことへの恐怖心を持つようになってしまった。
■ 他の吃音の子の話し方をふざけて真似していたら、吃音の発語感覚を覚えてしまった。
■ 転校などの環境の変化。
■ 親の不和などによる家庭内のストレス。
■ 家族が極端な早口、または吃音である。
■ 厳しいしつけ、親、教師などからの(吃音のことではなくても)叱責を受けた。
■ 話し方を笑われたこと、また大人(親、教師など)からの話し方の細かな忠言があった。
■ 左利きを無理に右利きに変えようとするような精神的ストレス。
・・・など、さまざまです。これらがあると吃音になるという訳ではありません。あくまで引き金として考えられる要因です。
幼児期、子供(小学生)のときには全く吃音がなく、10代後半から吃音意識を持つ場合もあります。
成人してから吃音を持つ方は、職場での電話応対の指摘、朝礼で不意にことばが詰まってしまったこと、「ありがとうございました」など決まったフレーズで一度どもってしまったことなど、言葉が詰まった出来事が吃音意識を持つ引き金となるようです。
改善への理解のために |
改善の方向性。 |
「幼少の頃は吃音があったが、今は全くどもらない。」「一時期は気になっていたが、いつの間にか吃音がなくなった」・・・など、吃音が“直った”ということを聞くことがあります。
「吃音が直る」といいましても、その受けとめ方は人によってさまざまで、少々言いづらさを感じていても生活に支障がないので“直った”と捉える人もいますし、300人程度の大勢の人々の前でのスピーチで言いづらさを感じるので、“直っていない”と受け取る人もいます。
学生の時は意識せずに話していて直っていた筈なのが、仕事に就いてから吃音が出始めるといったように、環境の変化によって吃音意識が浮上する場合があります。
また管理職になり、朝礼、会議、司会、部下の指導など、指導的立場でのコミュニケーションが要求される時、話す不安が出てきて吃音意識が表れてくることもあります。
このように、ライフステージは変化し、話をする社会的要求は変化します。どのような場面でもコントロールしていけるというレベルにまで高めていくには、成り行きのままでは無理で、自分はどのような話し方を実践していったらよいかという、具体的な改善の方向性を探り、安定度を底上げしていく必要があると思います。
必要なのは、「頑張り力」ではなく、安定した話し方に向けていく「習慣力」です。
一人だけでの朗読や発声トレーニングでは、緊張しないのでどもらないという方がほとんどだと思います。外部からの刺激がない環境では、独りごとを言うのと同じ感覚で自由に話せるものです。
しかし、学校や職場などでは外部刺激のたいへん強い世界に立たされ、上手く話そうとしてもことばが出てこない場面に直面します。
電話(オンライン)レッスンでは、その中間の立場に立ち、一人だけでの練習ではできない話し方スキルの向上、心理面のサポートを図りながら、日常会話、電話応対、スピーチなど、吃音の出にくい安定した話し方の改善につなげていきます。
吃音カウンセラー
江田 信久(えだ のぶひさ)
「さわやかカウンセリング」は、皆様のご理解をいただき、2002年より、日本全国、そして海外在住の方々と電話(もしくはインターネット回線、スカイプのオンライン)でのスピーチレッスンを約1900名以上の方々とさせていただいております。
私自身が幼少の頃からの吃音でしたので受講生との共通の理解を分かち合えますことを嬉しく思います。
吃音の程度は個人によりさまざまですが、基本的には、言葉が詰まる感覚を体(脳)が学習していることと、自分の話し方の他者の反応の心理的圧力が吃音の要因となります。
多くの場合、過去の失敗経験が心の傷として残り、話すことの恐怖心が助長されていきます。今まで吃音が全くなかった人が、電話応対、人前での司会、スピーチ、プレゼンなどをすることで吃音を意識し始める場合もあります。
吃音にともなう発語不安を正しく受け止め、電話応対や人前でのスピーチなど、緊張する場面でもコントロールして話すスキルを、電話カウンセリング&オンライン・レッスンで身につけていかれることを願っております。